【社説】尹大統領の残念な人事批判対応
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.06 10:29
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が人事批判に対して昨日示した反応は残念だった。出勤途中のぶら下がり会見で「宋沃烈(ソン・オクヨル)公正取引委員長候補、朴順愛(パク・スネ)新任社会副首相、金承禧(キム・スンヒ)前保健福祉部長官候補者のような場合には不適切人事、人事失敗などの指摘がある」と指摘されて「それでは前政権で指名された長官の中でそれほど立派な人を見ましたか」と逆に質問した。また「他の政権の時と一度比べてみて下さい。人々の資質やこういうものを…」と続けた。この過程で語調が高まり、指を記者に向けて数回指して不快感を表わした。前日、類似の質問に「我が政府ではちゃんとした人物を抜てきしたと自負している。前政府と比較するところではないと考える」と述べた内容から一歩出た言動だ。
国民は人事の雑音が絶えない理由、多くの疑惑にも任命を強行した理由に対して、大統領から率直な説明を聞きたいのだ。それを握りつぶして、「前政権の長官よりもましだ」というような一言で無理やり次へ行こうとするのは納得できない。我々が接してきた過去の大統領の言語とも全く違う。しかも尹大統領自身も前政権の主要な人物ではなかったか。
大統領は内的集中力と平正の中で現実を受け入れることができる能力「バランス的判断」が必要だ。民心を知らなければならないという意味だ。先週末に発表された韓国ギャラップの調査で、尹大統領の国政運営に対する肯定(43%)・否定(42%)評価は大同小異だったが、否定評価を左右したのは人事(18%)、「独断的/一方的」(7%)、「職務態度」(4%)などだった。昨日のぶら下がり会見の尹大統領で際立っていたものだ。民心が否定的に見るなら、国民から委任された権力である人事権を行使した大統領として先にすべきことは謙虚になり恐縮することであって、声を荒げることではなかった。