【時論】韓国戦争の悲劇を呼び覚ましたウクライナ戦争
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.06.23 11:36
北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席政権が韓国戦争(朝鮮戦争)を起こして今年で72周年だ。ロシアの侵攻で4カ月間戦争の砲火の中に閉じ込められたウクライナ国民の惨状は韓半島(朝鮮半島)を灰にした戦争の悲劇を新たに思い出させた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は決死の抗戦を叫んで軍と民間の抗戦への意志を高めている。西側諸国20カ国は兵器支援を通じてウクライナの主権と自由民主主義守護のための任務を遂行している。
だが、ロシア軍はドンバス占領地域を拡大しており、首都キーウなどウクライナの西部地域にミサイル攻撃を強化する態勢だ。ロシア戦争指導部は国家の存立が危うくなる場合、核兵器を使う可能性があると警告して核のタブー原則を崩している。
戦争は残酷だ。ウクライナ人口(約4400万人)の中で約700万人が祖国を離れた。ロシアの無差別的な攻撃でウクライナ領土の30%が荒廃化し、再建費用は最低700兆ウォン(約73兆円)と推算される。戦争が長期化するほどウクライナの被害規模が急増するという暗鬱な見通しがささやかれる。ウクライナ戦争の波紋は広範にわたる。ロシアが発射したミサイルは一気に「新冷戦」の序幕を開いた。民主主義と権威主義陣営の対決構図が明らかになっている。北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)挑発に対する国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議案を中国とロシアはこれ見よがしに無力化して「連帯」を誇示した。