「愛着もプライドもなくなった」…中国、コロナ封鎖で「脱出学」が人気(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.06.20 10:14
#1.2018年に米国留学を終えて上海に戻った1985年生まれの楊さんは最近移民のためにタイ留学ビザを申請した。「不確実性が大きすぎる。団地で毎日争いが起きている。住民のグループチャットでも同じだ。白い保護服を着た要員はいつも玄関をノックする。いつこのような状況が終わるのか分からないという点が最も大きな問題だ」
楊さんがタイ行きを急ぐ理由は今年3月に体験した事件のせいだ。当時楊さんの団地に喀血症状を示すコロナ女性感染者が発生した。集中隔離所さえ患者の受け入れを拒否してマンションの正門の前に捨てられた。一部の住民は女性に鎖を繋いでおくべきだと主張した。楊さんが違法だといってなんとか彼らをとめた。
「当時、住民の中で基本的な同情心を持つ人は誰もいなかった」。楊さんは香港明報に当時の状況を吐露した。楊さんはこの事件を経験した後、国際都市・上海に抱いていた愛着や帰属感がなくなったと明らかにした。封鎖が解除されると同時に団地内の他の若者たちは故郷や香港に発った。楊さんもまだ現地調査や出版作業が残っているが、未練なく上海を離れる計画だ。