【コラム】危機の韓日、保守が進歩を包容して国益を広げていくべき(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.06.07 10:44
◆韓国をむしろ攻撃する日本
もともとパートナーシップ宣言に含まれた治癒論の論理構造は被害者の傷に対して加害者が謝罪と補償を通じて責任を取り、被害者は加害者を許すことによって傷を癒やすということだ。このような責任論的治癒論に立ち、被害当事者に対する治癒が進んで相当な効果が現れた。しかし時間が経つにつれ、加害者が負うべき責任の性格、謝罪の誠意、補償の適切性に対する両国の認識の違いによって、むしろ傷がぶり返す逆説的現象が発生した。韓国が主張する治癒論に日本が呼応せず、かえって反発して逆攻勢することが起こった。これによって過去被害当事者の本源的な傷よりも現在の一般国民の派生的な傷のほうが大きくなってしまった。
明らかに治癒論は国際的次元の脱冷戦と韓国の民主化過程と軌を一にして、人権と正義という普遍的価値を増大させて国際規範を高揚するのに大きく貢献をした。被害当事者や彼らを支援する市民団体の献身的努力が韓国史と世界史の進歩に及ぼした役割に敬意を表す。しかし、彼らが抱いている高い理想と崇高な理念が全て実現されるには現実の制約が大きい。かえって彼らの主張が現実の中で国益を損なう結果を生む場合もあった。