【時視各角】尹大統領の独特な就任演説
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.05.13 15:54
歴代大統領の就任演説の骨格は似ていた。民族史は称賛し、大統領自身は新しい時代を開く人物として描写し、国政全般にわたる多くの約束をした。前任の大統領の「一度も経験したことがない国を作る」が一例だ。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は違った。3450字分量の演説で「自由」に35回言及し、「統合」には一度も触れなかったのは異常だ。
まず聴者が世界に拡大した。民族主義・国家主義的な色彩がかなり薄まった。代表的なのが「民族」の不在だ。「民族主義的感性と集団無意識は韓国人には心の習慣」(尹平重・韓神大名誉教授)だ。尹大統領はこれを動員しなかった。本当だ。金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は「どの同盟国も民族を上回らない」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は就任演説では言及しなかったが、平壌(ピョンヤン)で「南側大統領」として「わが民族は共に暮らさなければならない」と述べた。当時、「大統領からして、自分が民族の指導者なのか、大韓民国の軍統帥権者なのか区別できていない「(崔珍晳西江大名誉教授)という叱責があった。