【時視各角】尹政権、初期の失点を挽回するには
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.05.12 11:50
検察総長を退いてから1年で大統領になった人に自分の政治勢力があるはずがない。政治門外漢であるため、安定感、経験のあるオールド(old)な人物を重用した。性向が保守であるため、李明博(イ・ミョンバク)政権当時の人たちを呼ぶしかない。女性を登用しようとしても、その級に合う人物がいなかったのかもしれない。そのためか、女性は長官19人のうち3人、大統領室首席級以上の秘書官10人のうち0人、次官20人のうち0人。比率では6%にすぎない。男性(Man)政府だ。信頼できるのは古巣だと、検察(G)出身者を内閣と大統領室の核心ポストに並べた。「オー・マイ・ガット(Oh, My God、なんてこと)」の略字のOMGが、尹錫悦政府1期目の人事コードになってしまった。なんということか。狭い人材集団、0.73%ポイント差の勝利という根源的な限界があるのは理解できる。ただ、度が過ぎるのは問題だ。
人事問題より深刻な問題はアイデンティティーだ。任期の最初に何をしようとするのか、文在寅(ムン・ジェイン)政権のどの部分を改善するのか、盧武鉉(ノ・ムヒョン)精神を継承するのか、保守を再建するのか、よく分からない。就任演説も「自由」ばかり話し、自由を享受するための実践方法がない。いくら意思疎通の過程に問題があったとしても、自身が重大視した検捜完剥(検察捜査権完全剥奪)を徹底して扱わず「ゴーサイン」を出したのも理解しがたい。