＜１＞上陸中国軍に戦意喪失投降

中国がサイバー攻撃を断行する。台湾全域が混乱と恐怖に包まれる。あたかも雨のように降るミサイルに台湾の防空網、軍部隊、通信施設が破壊される。海から数百隻の中国海軍の揚陸艦が押し寄せる。接近した米軍艦は中国軍のミサイル・魚雷・ドローン攻撃に阻止される。米軍艦が沈没する映像がインターネットに掲載される。戦意を喪失した台湾人は上陸する中国軍に対抗して武器を握ることを拒否する。

最近、米海軍が２０３０年の北京の台湾侵攻を仮定して実施したウォーゲームの４つのシナリオのうち最悪のケースだ。フォーリンポリシー（ＦＰ）が４日に公開した米国海軍分析センター（ＣＮＡ）の台湾侵攻ウォーゲームシナリオを、ボイス・オブ・アメリカ（ＶＯＡ）、香港経済日報などが１１日報じた。台湾の投降から中国の敗北シナリオまで多様だった。

＜２＞中国軍上陸の中で台湾軍が時間を確保

２０３０年に北京がサイバー攻撃、ミサイル攻撃、上陸作戦を断行する。米軍艦は中国軍の脅威を受ける米軍基地にミサイル防衛を提供する。また、米軍の長距離爆撃機と誘導ミサイルが、台湾に接近する中国軍の上陸艇の一部を破壊する。台湾が海岸に到着した中国軍に対抗し、力を結集する時間を提供する。

＜３＞中国艦隊を無力化、長期対峙様相

米国の支援を受けて構築した台湾の防御能力が中国の初期ミサイル攻撃を防ぐ。海を渡った中国海軍は無人潜水艦の攻撃を受ける。米海兵隊と特殊部隊の精巧なミサイルが、島に接近したそのほかの中国艦隊の無力化に成功する。台湾は基盤施設を整備し、予備軍を召集して長期対峙に入る。

＜４＞台湾で先制サイバー攻撃に成功

北京が致命的な決定を出すと、台湾のサイバー攻撃が中国海岸の軍事港を暗闇と混乱、恐怖に追い込む。中国軍事港一帯の中国軍上陸艇が命令を待って右往左往する。台湾軍事施設を目標にした中国のミサイルの大半は迎撃される。海で中国海軍は先端機雷と極超音速ミサイルで犠牲になる。米軍艦は域内同盟およびパートナーと共に重要な軍需品と補給品を台湾に輸送する。台湾は軍需品と補給品を防御陣地に迅速に移すことに成功し、中国の次の攻撃を撃退する準備に入る。

今回のウォーゲームを進めたＣＮＡのジェレミー・セピンスキー首席ウォーゲームデザイナーは「失敗する条件を探すことが重要だ」と指摘した。フォーリンポリシーへの寄稿を「中国に負けることが勝つこと」と題した理由だ。ウォーゲームが軍事的な弱点を解決する機会を提供するからだ。セピンスキー氏はこうしたウォーゲームの勝敗は重要ではないと話す。過程を分析すれば、敗れる戦争を勝利に変えることができると強調した。

台湾海峡戦争を想定した米国のウォーゲームは昨年７月にも報道された。現役米空軍大将のジョン・ハイテン米統合参謀本部副議長は「惨敗した」と認めた。セピンスキー氏によると、ハイテン副議長のウォーゲームシナリオは現在、機密に分類されている。

◆台湾専門家「米国と連合訓練なく効果が疑問」

一方、台湾国際戦略学会が７日に主催した「ウクライナ戦争の効果、日米は戦時に台湾防御を助けるのか」という座談会で、台湾淡江大の黄介正教授は「ウクライナの経験は現実であり、米国は台湾を支援する軍隊を送らないことを表している」と述べた。香港サウスチャイナモーニングポスト（ＳＣＭＰ）の１１日の報道によると、黄教授はこの席で「台湾防御を支援するという米国の約束は一般的な意味の援助なのか、軍隊を送ることなのか解釈の余地が開かれている」と指摘した。また「言語の壁があり、定期的な連合訓練がない状態で、米国や他国が台湾と軍事的にどれほど効果的に協力できるかも疑問だ」と指摘した。