双竜（サンヨン）自動車の買収に乗り出したエジソンモーターズが２５日に買収代金残金を支払っていないことがわかった。

２７日の双竜自動車など業界によると、エジソンモーターズのコンソーシアムは買収代金残金の納入期限である２５日までに残金２７４３億ウォンを払っていないものと確認された。双竜自動車とエジソンモーターズは１月１０日に買収本契約を締結し、その際に買収代金３０４８億ウォンの１０％に当たる３０５億ウォンを納入した。その後残金は今月初めの再建計画案提出後に納入する予定だった。これと関連しソウル破産裁判所は関連手続きに基づき、関係人集会が開かれる４月１日の５営業日前の３月２５日までに残金を納入するよう決めた。

だがエジソンモーターズコンソーシアムが残金を納入していないことから、双竜自動車の買収に赤信号が灯った。買収が失敗に終わる危機という指摘も出る。チェ・ヒョジョン弁護士は「エジソンモーターズ側が買収手続き上の残金納入義務を履行できないだけに、本契約解除事由が発生したもの」と指摘した。

これと関連し双竜自動車関係者は「会社が裁判所の管理下にあり直接契約解除を決めることはできず、今後裁判所と売却主幹事である韓英会計法人、法定管理人が前後の事情を確認して決めるものとみられる」と話した。

エジソンモーターズは裁判所に関係人集会の延期を申し入れた状態で、今後日程に合わせて残金を支払うという立場だ。エジソンモーターズ核心関係者は「残金は用意できている。裁判所に関係人集会を５月中旬に延期するよう申し入れており、これに合わせて残金を支払うだろう」と話した。関係人集会延期を申し入れたのは「商取引債権団、双竜自動車労組などの反発が激しく、現在の状態では再建計画案が通過しにくいため」とした。再建計画案が否決される可能性が高いだけに関係人集会を延期して債権団の説得に出るという話だ。

だがこれは時間稼ぎにすぎず、エジソンモーターズの買収能力そのものに疑問を持つ声が大きくなっている。

双竜自動車の部品・協力会社で構成された商取引債権団などはエジソンモーターズが今月初めに提出した再建計画案が極めて不十分だとして反発している。これらによるとエジソンモーターズはこれらの債権約５４７０億ウォンに対し１．７５％だけ現金で返済すると摘示した。債権団関係者は「２００９年の双竜自動車再建時も買収企業（マヒンドラ）の現金弁済率は４０％あった。現在の現金弁済率は極めて低い」と主張した。商取引債権団は２１日に裁判所にエジソンモーターズによる買収反対の嘆願書を提出した。

双竜自動車労働組合も「エジソンモーターズは買収代金納付に向けたコンソーシアムも確定できない状態。買収後にかかる運営資金調達計画も具体的でない」と指摘した。

これに伴いソウル破産裁判所が今後どのような判断を下すのか注目される。まず裁判所がエジソンモーターズの関係人集会延期申し立てを受け入れ集会日程が一度延期される可能性がある。エジソンモーターズが残金を納入できていないだけに双竜自動車法定管理人が裁判所の許可を得て本契約解除を宣言する可能性もある。この場合双竜自動車の売却は振り出しに戻ることになる。

チェ・ヒョジョン弁護士は「エジソンモーターズが残金納入義務を履行して関係人集会延期を要請したとすれば買収真正性を評価されたが、現状では資金不足問題が深刻に見える。資金調達と買収後の事業計画に対するビジョンを示すことができなければ買収は失敗に終わる可能性が高そうだ」と話した。