ウクライナ当局がロシアの将官級指揮官７人を射殺したと主張した。ロシアがウクライナを侵攻してこの１カ月間でだ。

２６日（現地時間）、ウクライナ国防省は「我が軍はロシアのヤコフ・レザンツェフ中将を射殺した。ウクライナ戦争で死亡した２人目の中将」としながら「ロシア軍の将軍がウクライナで不名誉な死を迎えている」と明らかにした。レザンツェフ中将はロシア南部軍区第４９連合軍の司令官だ。

ＢＢＣはこの日、「ウクライナ軍がヘルソン近郊のロシアが指揮所として使っているチェルノバエブカ（Ｃｈｒｏｎｏｂａｙｉｖｋａ）空軍基地を砲撃してレザンツェフ中将を射殺した」と報じた。また、ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）はロシア軍の将官級指揮官が異例のスピードで殺害されていることに対して「ウクライナ侵攻の変数になるだろう」と分析した。

◆「将軍７人目…異例の被害」

これに先立ち、ウクライナ軍は今月３日、ロシア軍のアンドレイ・スホベツキー第７空輸師団長兼第４１連合軍副司令官（少将）がウクライナ軍の狙撃手によって死亡したと明らかにした。将官級の指揮官で最初の犠牲となった。その後、ハルキウ（ハリコフ）戦闘でビタリー・ゲラシモフ第４１連合軍参謀総長が死亡し、１１日と１５日にはマリウポリでアンドレイ・コレスニコフ東部地域軍司令官（少将）とオレグ・ミティアエフ第１５０自動小銃師団司令官（少将）がそれぞれ死亡した。また、１８日にはヘルソン近郊でウクライナ軍の砲撃によって第８軍司令官のアンドレイ・モルドヴィチェフ中将らが戦死した。だがロシア軍は公式にアンドレイ・スホベツキー少将の死亡だけを発表した。

米外交専門紙「フォーリン・ポリシー」などによると、ウクライナに投入されたロシア将軍は約２０人で、すでにこのうち３分の１以上が死亡している。この他にもウクライナ国防省は「少なくとも１５人のロシア高位指揮官が戦場で死亡した」と主張した。

ワシントン・ポスト（ＷＰ）は「ウクライナ軍が狙撃や交戦、砲撃等を通して７人の将軍を殺害したと見られる」とし「第２次世界大戦以降、類を見ない速さでロシアの将軍たちが死んでいっている」と報じた。

◆ウクライナ「指揮官専門担当特殊部隊運用」

主要外信や軍事専門家はロシア軍将軍の異例の被害に対して「ロシア軍が慢性的な問題で苦戦している」と分析した。

米シンクタンク「戦争研究所（ＩＳＷ）」ロシア軍専門家のメイソン・クラーク氏はＷＰに対して「ロシア軍はセキュリティが脆弱な通信システムを使用している」とし「ウクライナ軍は２０１４年ドンバス紛争からロシア軍の位置を把握するために通信を使用する方法を訓練してきた」とした。

ＢＢＣも「ロシア軍が個人携帯電話や旧式無線機などセキュリティが弱い通信システムに依存している」とし「これによってウクライナ軍が高位指揮官の位置を把握するのが容易になっている」と報じた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の側近はＷＳＪに「我が軍はロシア高位指揮官を専門担当する特殊部隊を別途運用している」とし「彼らはロシア軍の有名将軍や操縦士、砲兵指揮官のすべての情報を有している」とし「この部隊はロシア軍の通信装備などを盗聴し、高位将校の位置を把握して狙撃や砲撃などで攻撃する」と話した。

ロシア軍の士気低下などで高位将軍が最前線に配置されて被害が大きくなったという分析もある。ＷＰは軍事専門家や米国防省官僚を引用して「ロシア軍が混乱に陥ると将軍がこれを統制するために最前線に出て指揮している」と伝えた。士気が落ちて高位指揮官が敵軍に特定されやすい戦線に頻繁に登場するため被害を受けているという説明だ。

◆「ロシア軍、指揮官の入れ替えが難しい可能性」

ウクライナ軍の発表によると、ロシアは開戦後４日に１人の割合で軍将軍を失った。これに伴い、軍事作戦にも支障をきたしている。ウクライナ大統領室で顧問を務めるオレクシー・アレストビッチ氏は「ロシア軍の指揮官が殺害されれば、新しい指揮体系が整うまでに３日から５日ほどかかり、その間進撃を遅らせることができる」と話した。

ＷＳＪは「ロシア高位指揮官の被害はロシアが戦争で軍隊を誤って運用していることを示している」とし「ロシア軍は（死亡した）高位指揮官の代替に困難を強いられている可能性がある。良くない戦争結果につながる可能性がある」と展望した。