【社説】「失われた30年」くるかもしれないという経済学界の警告=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2022.02.13 10:22
政界の無責任なポピュリズム公約が現実化すれば韓国経済が日本の「失われた30年」のような長期沈滞に陥りかねないという警告が出された。韓国経済学会など55の学会が参加した2022年経済学共同学術大会で経済学者が出した懸念の声だ。基調演説者として出たソウル大学のキム・インジュン名誉教授は「財源と公平性を考慮していない損失補償、選別と普遍の同時災害支援金支給、企業間利益共有制などポピュリズム政策が乱舞している」と指摘した。彼はばらまき政策で国の債務比率が上昇すれば「有事の際の国の信頼度が大きく疑われることになるだろう」と評価した。
経済学者の警告はここにとどまらない。忠南(チュンナム)大学のヨム・ミョンベ名誉教授は「いわゆる『負債の復讐』現象が本格化する可能性もある」と話した。「負債を広げて政府支出を拡大する場合、金利上昇とインフレ圧力が大きくなり経済成長を阻害し、国民の苦痛を加重しかねない」という説明だ。ソウル大学のチャン・ヨンソン教授はインフレ→賃金上昇→雇用減少と製品価格上昇→インフレにつながる悪循環が現れるだろうと指摘した。物価と失業率が同時に上がって景気が沈滞するスタグフレーションが発生する可能性があるという警告だ。
最近のさまざまな経済指標に現れた韓国経済は楽観しにくい状況だ。経済成長率が鈍化する中で消費者物価上昇率は高止まりが続く。文在寅(ムン・ジェイン)政権5年間で財政赤字が急増し今年の国内総生産(GDP)比の国の債務比率は50%を上回る。貿易収支も2カ月連続で赤字を記録し、「双子の赤字」の非常灯が灯った。対外経済環境も良くない。ウクライナ情勢で国際原油価格が1バレル=90ドルを超えるなど原材料価格が上がっている。米国の中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)は上昇する物価を抑えるために金利引き上げを急ぐだろうと予告した。米国の金利引き上げ予告だけでも韓国の金融市場は非常に不安な流れを見せる。株価とウォンの価値は急落し、市場金利は大きく上がった。無理に資金を借り入れた投資で家や株式を買った人たちは資産価格下落と貸出利子急増で困難に陥っている。