２０２２年北京オリンピック（五輪）ショートトラック男子１０００メートルの準決勝で出た不公正判定が防弾少年団（ＢＴＳ）のファンダムＡＲＭＹと中国のネットユーザーの戦争に発展したと外信も報じている。

香港のサウスチャイナモーニングポスト（ＳＣＭＰ）は９日（韓国時間）、「議論の余地がある韓国のショートトラック失格をめぐり、Ｋ－ＰＯＰグループＢＴＳのファンと中国のネットユーザーが喧嘩している。ＢＴＳのＲＭのインスタグラム投稿が中国のオンラインで怒りを招き、『ＢＴＳのＡＲＭＹ』が防御に飛び込んだ」と報じた。

同メディアは「世界で最も人気のあるＫ－ＰＯＰボーイズグループのＢＴＳがＳＮＳの嵐に巻き込まれた」と経緯を詳細に紹介した。黄大憲（ファン・デホン）選手が７日、ショートトラック男子１０００メートル準決勝で中国の李文竜と接触したとし、失格になったことを受け、インスラグラムのフォロワーが２８１０万人に及ぶＲＭが自身のインスタグラムに黄大憲の追い越しシーンを投稿し、拍手と親指の絵文字をつけた。特に文章は残さなかった。

しかし、中国のウェイボー（微博）で中国のネットユーザーは「＃ＢＴＳｉｎｓｕｌｔｉｎｇＣｈｉｎａ（＃防弾少年団辱華）」、ＢＴＳが中国を侮辱したという意味のハッシュタグを付けて怒りを示した。あるウェイボーユーザーが投稿した「私たち中国人は無条件に祖国を応援しなければならず、中国は公正に金メダルを取った」というメッセージには８００件を超える「いいね」がついた。

一部の中国人は、ＲＭのインスタグラムで外見について攻撃し、中国市場から出て行けというメッセージを書いているとＳＣＭＰが伝えた。ＲＭのコメントは無効になっているため、一部のネットユーザーがツイッターにコメントのスクリーンショットを共有したが、中国のネットユーザーがＢＴＳの公式ＳＮＳに集まって嘔吐する絵文字、韓国男性を卑下する人差し指の絵文字を大量に書き込んだ。

ＳＣＭＰは「ＡＲＭＹがＢＴＳを象徴するカラーの紫色のハートを書き込み、対抗した」と伝えた。紫色のハート、うっとりしているような表情の絵文字などをつけて嘔吐の絵文字を見えなくしてしまった。ＡＲＭＹが「防弾級防御」で画面を浄化させた。ＳＣＭＰは「多くのツイッターユーザーがこのような争いに戸惑い、中国人がなぜそんなに怒っているのか理解できないという反応を示した」と伝えた。海外ファンも「中国、どうしてあんなことするの」という反応だ。

そんな中、ＢＴＳの別のメンバーのであるＳＵＧＡ（シュガ）が８日、自身のインスタグラムに「Ｄ」というメッセージと共に自身が韓服を着用した写真を投稿した。２０２０年のＳＵＧＡの『大吹打』ミュージックビデオ撮影当時、袞龍袍（コルリョンポ）を着た姿だ。特別な意味はないかもしれないが、４日の北京五輪開幕式で中国少数民族の１人が韓服を着て論議になった時期のため、韓国ファンの注目が集まっている。

逆にＫ－ＰＯＰグループａｅｓｐａ（エスパ）の中国人メンバーのニンニンが５日、中国がショートトラック混合リレーで金メダルを取ったことを受け、プライベートメッセージプラットフォームに「うわー。今夜初めての金を取ったなんて。嬉しい」というメッセージを残し、韓国のネットユーザーから批判を浴びている。

歴史守護運動を行っている誠信（ソンシン）女子大学の徐ギョン徳（ソ・ギョンドク）教授は「大韓民国の代表的アーティストであるＢＴＳのＳＵＧＡが、意図は把握できないが、韓服の写真を投稿した」と述べた。私たちが怒るだけでなく、Ｋ－ＰＯＰ、ＯＴＴ（オンライン動画サービス）ドラマなど文化コンテンツを通じて自然に知らせる機会」と述べた。また、「中国のネットユーザーが私のＳＮＳに集まってきて、『韓国がすべて盗んでいった』、『泥棒の国』と言う。中国最大のポータルサイト百度百科事典に「韓服の起源は漢服」と書かれているから、誤解するしかない中国ネットユーザーが無差別的な攻撃をしている。百度から正すべき」と述べた。ニンニンの事例について徐教授は「韓国で活動するなら国民的な情緒と文化的情緒を理解すべきなのは当然」と述べた。

韓国の芸能人スターたちが不公正判定にコメントしたことから、ドラマや映画の限韓令（韓流禁止令）で再び完全に遮断されるのではないかという声も出ている。しかし、徐教授は「限韓令が完全に解除された状況でもない。韓国と中国のネットユーザーの舌戦が激化しているが、両国の大衆文化がよく交流できるかどうか分からない。彼らが認めて直していれば、障害になることはない」と述べた。