【時論】韓国の自営業者は「不可触賎民」か
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.01.28 14:06
「コーヒー1杯を買うのに名前を書けって? 不快で飲めなくなるだろう」。出入り名簿の作成が義務化された新型コロナ事態の初期、光州(クァンジュ)市と全羅南道潭陽(タミャン)でカフェを運営する筆者はこう思った。昨年11月に政府が段階的な日常回復(ウィズコロナ)を始めたことで「防疫パス」が追加された。
出入り名簿義務化初期の悪夢を思い出したが、正常に営業ができるのなら十分に耐えることはできると決心した。ところが45日後にウィズコロナが中断され、また営業時間と人数が制限されたが、防疫パス規制はさらに強化された。政府は防疫パスについて「全国民対象の社会的距離(ソーシャルディスタンス)を避けるための局所的な対応措置」と説明する。社会的距離を避けるための防疫パスなら、社会的距離強化期間には防疫パスを免除するのが妥当ではないのか。ところが政府は社会的距離を強化しながら防疫パスも同時に強化した。
防疫パスはコロナ事態と景気不況に全身で耐えている自営業者の苦痛を加重するだけでなく、ニュースやスマートフォンと距離がある情報疎外階層に羞恥心を抱かせる。机上で防疫パスを決めた公務員の考えが及ばない混乱が現場で日常的に発生する。忙しい時間帯にワクチン接種証明書を徹底的に確認するのは拷問に近い。時間がなくテークアウトをしにきた客は引き返す。スマートフォンに慣れていない人たちは職員の顔を見ながら申し訳なさそうにする。