有力大統領候補と家族の肉声録音ファイル公開で触発された与野党のネガティブ競争が佳境に入っている。与党「共に民主党」が野党「国民の力」を相手に巫俗議論を集中攻撃し、「国民の力」は民主党の李在明（イ・ジェミョン）候補の暴言録音ファイルを追加公開して対抗した。

◇張永河弁護士「李在明暴言通話追加公開」

李在明候補の各種疑惑を取り上げた『グッバイ、李在明』の著者である張永河（チャン・ヨンハ）弁護士は１８日午前に国会で会見し、李候補の通話録音ファイルを追加公開した。前日李候補が過去に実兄（故人）と自身の妻と話した、合わせて１６０分に上る通話３４件のファイルを公開したのに続く２回目の暴露だ。

張弁護士がこの日公開した録音ファイルには李候補が兄の妻と通話する途中で笑いを吹き出す李候補の妻キム・ヘギョンさんの肉声が収録されていた。張弁護士は「李候補の暴言と年下の義妹のあざ笑う声が骨身にこたえとうてい忘れることはできない」という李候補の兄嫁の立場を伝えた。

その上で張弁護士は前日の李候補の謝罪に言及し、「（実兄と母の間の問題を）兄嫁の悪口を正当化する手段としてなすりつけようとするあきれた嘘を李候補が継続している」と非難した。李候補は前日、「母に苛酷な問題を作った兄ももうこの世にいない」として「国民に許しを請う」と謝罪した。

２日連続で暴露に出た張弁護士の記者会見に対し「国民の力」の選挙対策本部は「張弁護士個人資格の会見」としながら距離を置いた。ネガティブ攻防の前面に党が介入する様相を避けたものだ。ただ張弁護士は現在「国民の力」の李在明検証特別委員会副委員長で、党次元で張弁護士と距離を置くような釈明は矛盾しているとの指摘も出る。

張弁護士の連日の暴露に対して民主党の安敏錫（アン・ミンソク）議員はこの日ＣＢＳラジオのインタビューで「流れ去ったレコードをかけながら選挙戦を泥沼へ追いやる選挙戦略だとみる」と話した。「準備ができておらず実力がない相手は選挙をネガティブにしていき泥沼にする。そのため有権者が実力の判断を誤らせることになる」ということだ。

◇キム・ゴンヒとコンジン法師狙った与党

その上で安議員は「国民の力」の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領候補の妻キム・ゴンヒ氏に焦点を合わせた。彼は「（キム氏は）崔順実（チェ・スンシル）の亜流を見る感じだった」と話した。彼は「崔順実氏の話し方は事実と虚偽を混ぜて話すことだ。その上で人を惑わす。そうした面で２人は全く同じだ。その次に巫女を近くに置くという点で崔順実を下に見る感じ」と話した。

民主党の宋永吉（ソン・ヨンギル）代表はこの日光州（クァンジュ）でＫＢＳのインタビューを通じ「野党関係者の話を聞いてみると『（キム氏が）第２のイメルダになりそうだ』という話をする」と話した。イメルダは民衆蜂起で追放されたフィリピンの独裁者マルコス元大統領の夫人だ。

続けて宋代表は「大統領に尹錫悦選ぶのかキム・ゴンヒを選ぶのかわからないこうした時代に行くことはできない。呪術と魔法のようなものに依存する国になっては、ロシア皇帝ニコライ２世がラスプーチンという怪僧に振り回されてロシア帝国が滅亡したように国が大きな危険に陥るだろう」と話した。

野党「開かれた民主党」の金宜謙（キム・ウィギョム）議員はキム・ゴンヒさんとコンジン法師の親密な関係についての疑惑を持ち出した。与党陣営で巫女とされるコンジン法師が尹候補の日程とメッセージなどに関与してきたという主張だ。金議員はコンジン法師の娘の写真を公開し、彼女が２０１３年にキム氏が代表を務める会社の主催行事でスタッフとして活動しながら撮った写真だと話した。キム氏とコンジン法師の関係は長いものであるということだ。