文在寅大統領、ドローン攻撃発生したアブダビを訪問予定だった
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.01.18 16:39
文在寅(ムン・ジェイン)大統領がイエメンの反政府武装勢力「フーシ」によるドローン攻撃が発生した17日、攻撃があったアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビを訪問しようとしていたことが明らかになった。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者は18日、中央日報との通話で「17日のUAE訪問の当初の日程は、アブダビに移動してムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子と首脳会談と昼食などをするものだった。ところがUAE側が出国直前に皇太子の日程をキャンセルし、アブダビへの移動が合わせて取り消されたもの」と伝えた。
皇太子との首脳会談が予定通りに行われていれば、文大統領はフーシのドローン攻撃時にアブダビに滞在していた可能性がある。UAEはアブダビでムハンマド皇太子が直接主宰しようとしていたアブダビ持続可能性週間の開幕式会場も文大統領の訪問直前にドバイに変更したという。
文大統領が滞在したドバイはドローン攻撃が起きたアブダビ空港から100キロメートルほど離れている。
ムハンマド皇太子はフーシの攻撃が発生した後に文大統領との電話通話で「(フーシの)ドローン攻撃は予想されたもの。(韓国が輸出した)天弓2がUAEの防衛力を高めるだろう」と話した。文大統領との会談をキャンセルした背景がフーシの攻撃と関連がある可能性を示唆した話と解釈される。
これに対し文大統領は「中東地域の平和安定を脅かす行為に深刻な懸念を示し、特に民間人を攻撃し生命を殺傷する行為は決して容認できないテロ行為として強く糾弾する」と述べた。
歴訪に同行した任鍾晳(イム・ジョンソク)外交安保特別補佐官は記者らと会い、「ドローン攻撃が会談取り消しと関連があるのか」との質問に、「関連がある問題ではないようだ」としながらも、「(攻撃は)この国が常に抱えている悩みの範囲内にあるとみなければならない」とした。その上で「(攻撃は)米国が中東から一定程度撤収するという感じが現実化される前から(中東の)悩みだった。UAEが(韓国との)防衛産業協力になぜ積極的に出るのか見なければならない」と付け加えた。
文大統領は現地時間でこの日午前にドバイを離れて2番目の訪問国のサウジアラビアに向かう。サウジは前日UAEにドローン攻撃を加えたフーシと直接対立している国で、文大統領の訪問直前にフーシに対する反撃を開始した。
AFP通信は文大統領のサウジ訪問直前、「サウジ主導の同盟軍が、フーシが占領しているイエメンの首都サナアへの攻撃を加えた」と報道した。AFPは「フーシはこれまでサウジにドローン攻撃を繰り返し行ってきたが、UAEに向かった攻撃は初めて」と伝えた。
UAEに対する初の直接テロが文大統領の歴訪期間中に起きたということだ。文大統領は今回のUAE訪問で4兆ウォンに達する韓国型ミサイル防衛システム「天弓2」の輸出契約を終えた。サウジでも追加で防衛産業関連協力案が議論される可能性がある。
フーシは2014年に勃発したイエメン内戦でアラブ連合軍を主導するサウジと対立してきた。今回攻撃を受けたUAEは2015年からサウジ同盟軍に参加している。一方、国連は2019年に「フーシが北朝鮮のミサイル技術を利用して短距離弾道ミサイルの射程距離を増やした状況が確認された」とし、フーシに対する北朝鮮の支援の可能性を示唆したりもした。