米製薬会社モデルナの新型コロナウイルスワクチンのブースター接種が新たな変異株であるオミクロン株に効果的という分析が出てきた。これを受けオミクロン株専用ワクチンは不要だとの意見も提起され、製薬会社の別途のワクチン開発負担が減らされるのか注目される。

ロイター通信が１５日に伝えたところによると、米国立アレルギー・感染症研究所（ＮＩＡＩＤ）のファウチ所長はこの日の会見で、「モデルナのワクチン２回接種がオミクロン株に対して持つ中和抗体の効力は非常に低い」としながらも、「だが３回目の接種後２週間が過ぎれば中和の実質的な上昇を確認できる」と明らかにした。

また「ブースターワクチン療法はオミクロン株に効果的。現時点で変異株専用のブースターは必要ない」と話した。

ファウチ所長の今回の主張は、ＮＩＡＩＤとモデルナの共同研究結果によるものだ。

これに先立ち新型コロナウイルスワクチンメーカーであるファイザーもブースター接種がオミクロン株に効果があるとの研究結果を出している。ファイザーは８日にオミクロン株がワクチン２回接種者の中和抗体効力を顕著に減少させるが、３回目の接種をすれば中和抗体が既存の２回接種時より２５倍増加したという独自の研究結果を発表した。

米国で接種許可を受けた別の新型コロナウイルスワクチンであるジョンソン・エンド・ジョンソンはオミクロン株にどれだけ効力があるのか自社のデータをまだ公開していない。

米保健当局は５日、オミクロン株に特化したワクチン承認を簡素化する案を議論中だと明らかにしている。

しかしファウチ所長のこの日の言及のようにオミクロン株専用ワクチンは必要ないという決定が下されれば製薬会社が別にワクチン開発をする必要がなくなるかもしれない。

当初ファイザーはオミクロン株用ワクチン開発に約１００日、モデルナは新しいワクチンに対する臨床試験着手まで最大９０日ほどがかかるだろうと予想していた。