【社説】病床確保もできないまま「すべての感染者は在宅治療」とは…=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.11.30 09:32
韓国では12月中旬に予想された新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の段階的日常回復(ウィズコロナ)第2段階が4週間保留となった。コロナから抜け出して日常に進もうとしたところ、オミクロン株ウイルスという思わぬ伏兵に出会ったためだ。今後4週間にわたって特別防疫対策が施行されるが、すべての患者の在宅治療原則など主要内容を細かく見てみると韓国政府の対応失敗の責任を国民に転嫁した部分が目につく。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日の特別防疫点検会議で、最近のオミクロン株事態について「これまで危機を何度も越えてきたが、これまでとは次元が違うまた別の分岐点にぶつかった」と述べた。今月1日から4週間の日常回復第1段階の渦中に感染者が急増し、重篤患者と死亡者が最大値を記録した状況で、感染力が5倍以上と言われているオミクロン株まで拡大し始めたことを受けて、政府が危機状況を認めた。
政府が出した特別対策のうちに大きく3種類が目につく。18歳以上のすべての国民に対するワクチン追加接種、すべての患者に対する在宅治療原則の確立、経口用治療薬(飲み薬)の早期普及などだ。食堂・カフェなど大衆利用施設における未接種者の集まりの人数縮小、私的な集まりの人数制限、青少年防疫パス拡大適用方案は議論はしたものの決定は保留した。今回の特別措置により、ワクチンは3回目まで打たなくてはならなくなった。3次接種対象年齢が18歳以上に拡大する状況で、文大統領が12~17歳の青少年接種拡大と5~12歳の児童接種を迅速に検討するよう注文したことを受けて、ワクチン確保が再び大きな課題として浮上した。一昨日を基準として備蓄ワクチンは約1500万回分しかない。引き続き供給を受けると言っても、制限的なブースターショット(追加接種)ではなく全面的な3次接種を進めれば需給にも支障が生じる恐れがある。