水素1トン作るのに炭素10トン排出、韓国の水素技術の素顔
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.11.01 09:45
忠清南道瑞山市(チュンチョンナムド・ソサンシ)の大山(テサン)グリーンエネルギー水素燃料電池発電所。先月13日にこの発電所の4階に上がってみると高くそびえるハンファトータルの石油化学工場が目に入った。この工場では6月からナフサ(原油を蒸留する時出ている精製されなかったガソリン)工程に高温の水蒸気を投じて水素を生産している。副生水素だ。
6月に稼動を始めた大山グリーンエネルギーは、世界初で最大規模の副生水素燃料電池発電所だ。ハンファトータルが作った副生水素は地下2キロメートルの配管を通じて大山グリーンエネルギーに供給され、フィルタリングを経て燃料電池スタック(電池を積層した装置)で化学反応を経れば電気と水に変わる。ここで副生水素から生産する電力は瑞山市の16万世帯が1年間使用できる40万メガワット時だ。
大山グリーンエネルギーの副生水素を利用した電力生産は韓国の水素産業の現住所を見せる。水素は生産過程のクリーンレベルにより、グリーン、ブルー、グレーなどに分けられる。天然ガスを原料に使うグレー水素は1トンを生産するのに二酸化炭素10トンを排出する実情のため炭素ゼロとは距離がある。太陽熱や風力など再生可能エネルギーで水を電気分解して作るグリーン水素だけが生産過程で炭素排出がない。だが完全なクリーンエネルギーに挙げられるグリーン水素は高度な技術が必要で、韓国は確保できていない「夢のエネルギー」だ。