【時視各角】小粒指導者、怪物指導者
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.10.28 11:01
先週末、東京新宿駅で野党第一党・立憲民主党の枝野幸男代表の街頭演説を聞いた。「国民に背を向ける自民党を審判してほしい」「野党が一つに団結したのでどうか助けてほしい」。「戦争」中の韓国政治を見てきたためか、このような穏やかな野党は見慣れない。もちろん受恵者は執権自民党だ。3日後の総選挙で野党が政権交代に成功するという予想はほとんど0%だ。これが日本版「予測可能な政治」のようだ。
存在感のない野党のためか、岸田首相にも緊張感や新鮮さがない。安倍時代と変わっていない。どこまでも「米国重視、韓国と中国には厳しく」だ。岸田首相自身の外交ビジョンが見えない。
実際、こうした皮肉の始まりは40年前の中曽根政権発足当時だった。少数派の中曽根氏は最大派閥の田中元首相の全幅支援を受けて首相になった。内閣と党の要職は田中派で埋まった。「田中曽根内閣」という言葉が出てきた。しかし中曽根氏はタイミングを見計らっていた。そして「田中からの決別」を宣言し、自身のカラーを出し始めた。日米運命共同体論を展開する一方、「日本はアジアとの友好協力なしに存立しない」と規定した。誰もが否定的だった韓国との関係改善に取り組んだのも中曽根氏だった。歴史認識、未来ビジョンが同時にあったために可能だった。線が太かった。2017年に衆議院議員に当選した孫の中曽根康隆氏があいさつに訪れると、当時101歳だった中曽根氏がなんとか伝えた一言は「歴史を勉強しなさい」だった。