【盧泰愚元大統領死去】側近が回想「火よりも強い水のような性分のリーダーシップ」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.10.26 15:27
韓国の盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の選挙スローガンは「普通の大統領」だった。物腰柔らかな印象と話し方が相まって世論に乗った。このようなイメージは彼の実際の姿だったのだろうか。
盧元大統領と40余年間親交があったソン・ジュファン元広報処長官は「よく盧元大統領の人間的な側面を話すとき、『水泰愚』と説明したが、それが肯定的な意味で盧泰愚のリーダーシップを最もよく表現した言葉」と説明した。火よりも強い水のように、表面は柔軟だが中身は強靭な性分だったということだ。
1988年ソン元長官が民主正義党情勢分析室長として与小野大政局(与党が過半を割り、野党が多数を占めるねじれ政局)で頭を痛めていた時だった。当時、盧元大統領から「お昼ご飯でも一緒に食べよう」と呼び出されたという。「当然、第5共和国清算要求に対してどんな解決法を準備中なのか、報告を受けようとしているのだと思った。ところが青瓦台(チョンワデ、大統領府)に入ってみると令夫人と令嬢(ノ・ソヨン)も同席していた。盧元大統領は第5共和国の5の字も言及しなかった。表情がとても明るく、『私は外で野党のために夜も寝られないのに、大統領だけどうしてそんなに天下泰平なのか』と卑屈な考えがよぎるほどだった」。後日、ソン元長官は「それが盧元大統領の途方もない自信の現れだったということを知ることになった」と話した。