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【社説】尋常でない物価不安、あらゆる手段動員して防がねば=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.10.21 11:22
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生活物価が手綱がはずれたかのように連日上昇している。エネルギー価格から食材まですべての生活物価が上昇し、10月の物価上昇率は10年ぶりに3%台になるだろうとの見通しが出ている。弱り目にたたり目で為替相場がウォン安に振れながら輸入物価が上昇し、住宅価格や伝貰価格も高止まりしており国民が全方向的な物価上昇圧力に苦しめられている。

何より原油価格の上昇傾向が尋常でない。きのうソウル市内の平均ガソリン価格は1リットル当たり1800ウォンを超えた。特に軽油価格の引き上げはトラックを走らせて生計を立てる自営業者には直撃弾だ。見通しも暗い。世界的なエネルギー大乱と石油需要増加、米国の原油生産減少の見通しなど悪材料が散らばっている。このため国際原油価格は当分高い水準を維持するという見方が優勢だ。

 
懸念されるのはエネルギー価格が高騰して物価を全方向的に刺激している点だ。そうでなくても継続する新型コロナウイルスのパンデミックに庶民の暮らしは疲弊しているのに、いまは買い物をするのも敬遠されるほどだ。庶民食品の卵が代表的だ。マートに行ってみれば15個入り1パックで8000~9000ウォンの卵を簡単に見ることができる。韓国消費者団体協議会物価監視センターによると7-9月期に76品目の生活必需品価格が1年前と比較して平均4.4%上昇した。特に卵は70%も上昇し、豆腐は16.5%上がった。

民生をめぐる環境は最悪に突き進んでいる。引越しシーズンでもないのに住宅価格・伝貰価格が年間を通じて上昇し庶民の住宅費負担を加重している。度重なる不動産対策にも住宅価格が高止まりし、政府が金融を引き締めたことも庶民の苦痛を拡大した。その副作用があらわれると貸付規制を多少緩和したが、依然として十分でない上に、貸出金利が急に上がっている。新規住宅担保貸付金利は最近の世界的な金利引き上げの流れの余波ですでに5%に迫っている。

2年にわたり新型コロナ状況で死闘を繰り広げる自営業者の苦痛はさらに激しい。エネルギー価格とともに食材価格が上がっても飲食代は上げにくい。月給以外はみんな上がる状況で飲食代を上げれば国民が財布を開こうとしないためだ。

これまで「物価上昇は一時的」としていた韓国政府はいまになって対応に乗り出している。あたふたと油類税引き下げのカードを持ち出した洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は「原油価格が1バレル=80ドルを超えた状況なので来週ごろには措置があるのではないかと思う」と話した。産業通商資源部は液化天然ガス(LNG)と卵など90品目に対し関税率を一時的に下げることを企画財政部に要請した。

不動産政策の失敗に続き物価まで急騰し、民生はいま崖っぷちに追いやられている。あらゆる手段を動員して物価不安だけは防がなければならない。政府の存在理由を見せてくれることを望む。

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