【社説】大統領が一言言うだけで「炭素ゼロ」ができるのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.10.19 10:24
大統領直属の2050炭素中立委員会がきのう2030年までに炭素総排出量を2018年比40%まで減らすことにした。このため再生可能エネルギー発電を徐々に拡大し2030年には30.2%まで割合を高める計画だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの日の会議に参加し、「40%の縮小目標は韓国の強い意志と国際社会に対する責任意識を見せるもの。炭素中立は行ったことのない道だが、私たちが必ず行かなければならない道」と話した。
方向だけ見れば間違った話ではない。だが韓国政府が提示した年平均縮小率4.17%は欧州連合(EU)の1.98%よりはるかに高い急激な目標値だ。8日の原案発表時に議論となった電力システム変化と関連した具体的解決策は依然として抜けており、期待よりは心配が先に立つ。大きな負担を背負わなければならない企業は「競争力低下を防ぐための政策速度調節が必要だ」と反発している。現在より炭素排出量をさらに減らすには水素還元製鉄、二酸化炭素回収・貯留(CCUS)などの未来技術が必要だが、2030年までに商用化できるかは未知数だ。実際にこの10年間の公共研究機関の炭素中立関連技術の77%が商用化に失敗した。このほかに炭素排出が多い業種が経験する現実的困難も大きい。鉄鋼協会は「エネルギー効率はすでに世界最高水準で縮小手段がない」と懸念しており、石油化学やセメント業界も「政府目標に合わせるには生産量を減らすほかない」と訴えた。