【コラム】代案と共感能力が見えない野党=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2021.10.16 12:47
来年3月の大統領選挙に出る韓国最大野党・国民の力の候補が4人に絞られた。3週後の11月5日には最終候補が選出され、その後の4カ月間は与野党の退くことのできない一騎打ちが繰り広げられる。状況は依然として野党に有利だ。各種世論調査でも野党候補の当選を希望するという回答が50%を超えている。にもかかわらず野党支持者のもどかしさと焦りは続いている。「反文在寅(ムン・ジェイン)」と「政権交代」という2つの求心点を中心に団結しているにもかかわらず、候補の支持率は期待ほど上がらないからだ。
理由は何か。何よりもこの時代の正鵠を得ていないからだろう。大統領選挙はいつもその時代の精神に合う者が勝利してきた。時代の精神は国民が最も望むことの総合であり積集合だ。今回の大統領選挙でもいくつかのキーワードが挙がる中、有権者の大多数は「有能」と「共感能力」を共通して選んでいる。21世紀に急変する世界の中で危機の大韓民国に希望の道を提示できる能力とビジョン、二極化が深まる中で疎外された構成員を抱え込み、分裂する韓国社会を一つにまとめることができる開かれた心と包容力がそれだ。
しかし野党候補の中にこうした「有能」を立証した候補がいるだろうか。「大統領になるという人なら大韓民国を5年間率いる核心アジェンダ2、3件は持っているべき」という金皓起(キム・ホギ)教授の提言があったが、一つでもまともに提示した候補がいるだろうか。李在明(イ・ジェミョン)候補の(所得・住宅・金融)基本シリーズを批判するばかりで、これを超える新しい代案を提示した候補がいない。いまの野党の論争イシューに巫俗と失言のほかに政策ビジョンが存在しているだろうか。このままでは大統領選挙本選で浮動層の心をどうつかみ、40%の壁をどう越えるのか。