【中央時評】北朝鮮の外貨吸収作戦と金与正の「実践」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.10.13 10:56
問題は第2段階、すなわち住民の保有外貨を「静かに」政権の金庫に移す「闇の移動作戦」だ。安価でドルを市場でこっそりと買い集めているが、いまの為替相場で外貨を売ろうとする住民は多くない。最近北朝鮮政府が発行した「金券」はこうした状況で出た外貨吸収案だ。以前にも金券はあった。外貨を持っている人が北朝鮮で物を買うにはこの金券と交換しなければならなかったため、「外貨兌換券」と呼んだ。ところが今回は「外貨兌換」という言葉を最初から付けずに金券を発行した。発行の目的が外貨不足を埋めるためではなく住民に一種の災害支援金を支給しようとしているように装おうとした。しかし本当に災害支援のためならば現金で支給すれば良いのにコストをかけてまで金券を刷る理由はない。結局金券を自発的に外貨と替える住民は多くないだろう。もし強制力を発動するならば「真っ昼間の作戦」となり、北朝鮮のアキレス腱が内外に明らかになるだろう。
非核化圧力に対抗した北朝鮮の戦術は「隠し、圧迫し、揺さぶる」だ。北朝鮮の苦境を隠し、兵器開発速度戦を行って韓米を圧迫し、韓国を揺さぶって制裁を突き崩した状態で有利な条件で米国と交渉しようとする考えだ。これに対応する韓国の政策は北朝鮮の状況を正確に知るところから出発しなければならない。北朝鮮のチートキーを韓国が見透かしているということを金正恩が知ってこそまともな非核化交渉ができる。韓国は北朝鮮の行動の理由を明かし、軍事的抑止力を育て、徹底した韓米共助の中で動かなければならない。