【時視各角】韓国前外交部長官のILO事務局長挑戦の遺憾
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.10.12 10:01
人事聴聞会がなかった昔にも大きな官位を固辞する人は少なくなかった。代表的な人物が金俊ヨプ(キム・ジュンヨプ)元高麗(コリョ)大学総長だ。独立闘士であり共産主義研究の大家だった彼は全斗煥(チョン・ドゥファン)政権時代に学生と教授をかばって総長から追い出された竹を割ったような性格の人だった。盧泰愚(ノ・テウ)政権以来、金泳三(キム・ヨンサム)政権、金大中(キム・デジュン)政権がいずれも彼の人柄にほれ首相に迎えようとした。だが金元総長はあくまでも権力を遠ざけ孤高な学者として残った。
だが最近はどういう理由なのか決定的な瑕疵があっても大きなポストを狙う人があふれている。最近国際労働機関(ILO)事務局長選への出馬を宣言した康京和(カン・ギョンファ)前外交部長官がそうだ。彼女の致命的な弱点は専門性がまったくないということだ。康前長官の経歴を調べれば労使問題とは何の関連もないことがわかる。政治外交・コミュニケーションを専攻した彼女は、アナウンサー、通訳、教授などを経て外交部と国連で働いた。外交官と国連職員として働く時も労使関連の専門知識を学ぶ機会はなかった。
韓国ではほとんど知られていないが、康前長官は7月に国連女性機関トップに挑戦して失敗したという。苦杯をなめたがこのポストは彼女にふさわしく感じられる。女性としてさまざまな高位職に上がった経験と彼女の親和力などが立派な資質になるとみられる理由だ。