【コラム】朝鮮通信使の善隣外交学び、韓日交流の糸口開かねば(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2021.10.10 10:58
ユネスコ世界文化遺産に登録された日本の軍艦島に関してはさまざまな議論が提起された。当初の日本の約束と違い韓国人強制動員被害の事実を知らせる内容がまともに展示されなかったためだ。ところが軍艦島のように大きな関心を引けなかったが韓日共同で登録された文化財がある。2017年に世界記憶遺産となった朝鮮通信使に関する記録だ。韓日平和構築と文化交流の大切な記録物と評価された。朝鮮通信使は1607年から1811年まで日本の江戸幕府の招きで12回にわたり朝鮮から日本に派遣された外交使節団だ。
先月釜山(プサン)で韓日オンライン・オフライントークコンサート「君に届け」(釜山市主催、釜山文化財団主管)が開かれ私も参加した。釜山文化財団は朝鮮通信使の世界記録遺産登録で中心的な役割をした団体だ。トークコンサートは文学、映画、演劇などの分野の韓日の関係者が集まり、朝鮮通信使について学び今後の韓日文化交流について考えようとの趣旨で開かれた。『私の文化遺産踏査記』の著者である兪弘濬(ユ・ホンジュン)明知(ミョンジ)大学客員教授の基調講演のうち印象的だったのは「韓国史が韓半島(朝鮮半島)で起きた事件事故の歴史とだけ認識してはならない」という部分だ。壬辰倭乱、丁酉災乱と日帝強占期の間には韓日間に朝鮮通信使という友好的な歴史もあった。豊臣秀吉が死んで新たに成立した徳川幕府が朝鮮に国交再開を要請し朝鮮通信使が日本を訪問することになったのだ。関係が険悪な時期があればまた関係を回復しようとする時期もあるものだ。