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【グローバルアイ】日本の新型コロナ“数字の謎”

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.10.08 09:59
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日本の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の新規感染者がこの1カ月でに10分の1に減ったという記事を書いてから読者から数通のメールをもらった。悪意的なものを除いて純化すると「『ウィズコロナ』のために検査数を減らしたのは明らかだ」「日本ではPCR検査に約20万ウォン(1万8000円)かかって現地での状況は分かりきっているのにそんなに日本をほめたいのか」に要約される。

一部は合っているが、一部は間違っている。まず日本でPCR検査に20万ウォンほどかかるのは合っている(唾液PCRは3万ウォン程度)。特別な症状がないときに検査を受ける場合だ。症状があって医師が検査を勧めるか密接接触者の場合だけ無料検査が可能だ。韓国のように望めば誰でも無料で検査を受けるシステムがないので明らかになっていない無症状患者が相当数存在する可能性は高い。

 
検査件数は8月中旬に一日感染者が2万人まで報告されていた当時、一日17万件まで増えて、最近では週末を除くと3万~6万件程度だ。減ったのは間違いないが、東京の場合は8月中旬24%まで上昇していた陽性判定率が10月5日には1.8%になった。「検査をしないから感染者も減った」というには検査に対する感染率が減りすぎている。

問題は皆が戸惑うほど感染者数が減ったのにその理由を誰も知らないというところにある。専門家の意見を総合すればワクチン接種率が着実に高まり、オリンピック(五輪)以降の爆発的拡大に危機感が広がり、夕方に町を出歩く人が減り、ずれ込んだ梅雨などの天気も影響を及ぼしたという。

これだけでは説明しきれないので、難しい理論も登場した。一部の専門家は1967年ノーベル化学賞を受賞したマンフレート・アイゲン博士が発表した「エラーカタストロフの限界」という理論を挙げる。簡単に要約すると、ウイルスの複製が一定の閾値を越えると複製ミスが増えて自身の生存に必要な遺伝子まで破壊して自滅するということだ。すなわち、7~8月に急激に増殖したデルタウイルスが限界を迎えて消滅し、感染者が急減したという解釈だ。ワクチン接種が遅いインドやインドネシアなどで感染者が大幅に減ったのもこの理論で説明がつく。

これを考慮しても謎なのは、ちょうどウイルスが消滅した時期と日本の政権交代期が怖いほど重なったことだ。そのため新たに発足した岸田文雄政権の新型コロナ政策は「拡大防止」よりも「経済回復」に力点を置いているようにみえる。だがはっきりしない理由で感染が落ち着いたように、予測することができなかった変異株ウイルスや未知の要素によって次の流行が再び起きる可能性があるという専門家の警告に耳を傾ける必要がある。この謎の終わりがハッピーエンドであるためには、今はまだ緊張を緩めてはいけないということだ。

イ・ヨンヒ/東京特派員

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