北朝鮮の金星（キム・ソン）国連大使が２７日（現地時間）、米国に向けて北朝鮮敵対視政策の撤回を要求し、朝鮮半島とその周辺で北朝鮮を狙った軍事演習と戦略武器投入を永久に中止すべきだと主張した。米国が要求を履行すれば北朝鮮は米朝対話などに応じる意向があり、そのようにせず北朝鮮を脅かし続ければ「楽しくないはず」と警告した。

金大使はこの日午後、米ニューヨーク国連本部で開かれた国連総会一般討議の国別演説でこのように述べた。金大使が演説を始める２０分ほど前、北朝鮮が東海（トンヘ、日本名・日本海）上に未詳の飛翔体を発射したことが伝えられた。

金大使は演説で、米国に向かって時代錯誤的な北朝鮮敵対視政策を根本的に処理するのが北朝鮮および世界の平和と安定に寄与する道だと提案した。

歴代米国政権は北朝鮮に対話を要請しながら敵対視の意図はないと口頭または書面で意思表明をしてきたが、これは敵対視政策を隠すための美辞麗句にすぎなかったとし、「敵対視の意思がないという政策的な立場を言葉でなく行動で見せるべきだ」と要求した。

金大使は「米国が勇断すれば我々もいつでも快く応じる準備ができている」とし「しかし現段階で米国は北朝鮮敵対視政策を放棄しないというのが我々の判断」と述べた。続いて「それでも我々が米国に敵対視しないでほしいと頼むことはない」と述べた後、敵対的な米国をどう相手にすべきかについてこれまで豊富な経験を蓄積したと主張した。また「我々はずっと米国の対北朝鮮方向を眺める」と明らかにした。

金大使は「米国が挑発や軍事同盟など冷戦時代の遺物を持って我々を脅かすことを続ければ本当に楽しくないはず」と警告した。しかしそれ以上の表現は使わなかった。

金大使は「米国がアフガニスタンから撤収しながら最も長い間の戦争が終了したと宣言したが、これは朝鮮戦争が７０年間終了してない現実に背を向けたものだ」と指摘した。そして「世界で最も長い戦争に決着をつけたいのなら、本当に朝鮮半島の平和と和解を望むのなら、朝鮮半島とその周辺で合同軍事演習と各種戦略武器投入を永久に中止することから朝鮮敵対政策放棄の第一歩を踏み出さなければいけない」と述べた。

金大使は北朝鮮が核兵器を保有したことに言及しながら「我々が核を保有したために米国が敵対視するのではなく、世界最大の核保有国である米国が我々を敵対視したことで我々が核を保有することになった」と主張した。そして「米国や南朝鮮など周辺国の安全を決して侵害したり危険にしたりしない」とし「我々は侵略を防ぐ自衛的権利があり、強力な攻撃手段もあるが、誰かを狙って使用することを望まない」と強調した。北朝鮮が核を保有することになり、朝鮮半島が緊張状態になった原因は、米国の北朝鮮敵対視政策にあるという趣旨だ。

金大使は「問題の解決は根源を明らかにして処方するのが道理」とし「冷戦終息から３０年が経過した今日まで朝鮮半島が常時緊張と対立の悪循環を抜け出すことができない根源は米国の北朝鮮敵対視政策にある」と主張した。続いて「北朝鮮は一人の外国軍隊も軍事基地も存在しないが、南朝鮮にはおよそ３万人の米軍が駐留し、常時戦争準備体制を整えている」とし、韓米が北朝鮮に脅威を与えていると主張した。

金大使は「米国が我々を脅かすのをやめ、敵対的な企図を捨てれば、米朝関係と南北関係に明るい展望が開かれると確信する」とし、改めて敵対視政策の撤回を米朝対話の条件に掲げた。