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<野球>「韓国、米メジャーを追ってカラー失った」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.09.24 14:11
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韓国最高の人気スポーツのプロ野球が1982年にスタートして以降、最大の危機を迎えた。競技力の低下を懸念する声が強まる中、東京オリンピック(五輪)「ノーメダル」で決定打を浴びた。2008年北京五輪で優勝、2009年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準優勝という神話を築いた韓国野球がなぜこれほど墜落したのか。

米メジャーリーグ(MLB)でプレーした奉重根(ボン・ジュングン、41)、日本プロ野球(NPB)を経験した金泰均(キム・テギュン、39、共にKBS解説委員)にその理由と解決法を尋ねた。2009WBCの投・打の主軸だった2人は「韓国野球がMLBの流行を追っている。自分たちのカラーを取り戻す必要がある」と口をそろえた。

 
--東京五輪不振の衝撃が大きい。

奉重根=北京五輪以降、多くの人たちが「野球は金メダル」と考えるようになった。現実はそうでない。主軸だった選手はほとんど引退している。今は20代前半の選手が多い。韓国野球は成長痛を経験している。(見通しが)暗くなるしかない。これからは明るくなるだろう

金泰均=時間が必要だ。最近チェ・ジュンヨン(20、ロッテ)が投げるのを見たが、ボールが本当に素晴らしかった。このような選手をこれまで知らなかったのだ。

--代表チームの不振の理由にストライクゾーンを指摘する人たちがいる。

金泰均=韓国KBOリーグのストライクゾーンより国際大会のゾーンが確実に広かった。五輪で韓国の打者は広いストライクゾーンに戸惑っているのが感じられた。

奉重根=国際大会の審判は打者の内角のストライクをあまりとらない。その代わり高めの球にストライクをとる。東京五輪でもそうだったが、投手が全く適応できていなかった。

--韓国のストライクゾーンが狭いのか。

金泰均=投手が自信を持って投げた球がボールの判定を受ければ、次は(真ん中に入れて)打たれる。打者も混乱する。代表レベルの打者なら自分のゾーンを設定する能力がある。ゾーンから外れていると判断した球がストライク判定を受ければ打者は動揺する。打撃バランスが乱れることもある。

奉重根=韓国のストライクゾーンは左・右・上・下すべて狭くなった。

◆狭いストライクゾーンのため国際競争力が低下

打者だった金泰均は国際大会ゾーンが広いと話し、投手だった奉重根は韓国のゾーンが狭いと語った。表現は異なるが、KBOリーグのストライクゾーンは国際大会より狭いと整理できる。野球専門家は韓国の審判がゾーンを過度に原則的に適用するためだと指摘する。テレビ中継をする際、画面に表示される仮想のゾーンがKBOリーグのストライクゾーンの標準になった。伝統的に選手が認識するゾーンは規則より少し広いが、韓国の審判は中継画面に設定されるゾーンを基準に判定するということだ。この狭いゾーンに慣れた投手と打者が国際大会の広いゾーンに対応できなかった。

--大会の準備はどう評価するか。

奉重根=東京五輪は世代交代の時期なので準備の過程が重要だった。予備エントリー発表時点からストライクゾーンなどをあらかじめ把握する必要があった。2009年WBCでは、日本側は私が先発登板することを予想していなかった。私に対する分析が不足していたという。東京五輪では、日本は韓国の新人・李義理(イ・ウィリ、19、起亜)まで分析するほど熱心だった。

金泰均=奉重根先輩は日本を相手に一度だけ好投したわけではない。本大会でも好投した理由は、相手の分析を逆に利用して投球に変化を与えたためだった。現在の選手の能力が落ちたのは否めない。また、審判の特性を把握して対応するのも野球の一部だ。東京五輪で韓国の投手はスピード競争で劣勢だった。野球統計会社スポーツトゥーアイによると、今年のKBOリーグ投手の直球(フォーシームファストボール)の球速は141.6キロだ。MLB(平均150.9キロ)、NPB(平均145キロ)とも差が開いている。

奉重根=日本や米国と比較すべきではない。韓国は選手層とインフラが不足している。アマチュア時代に成績を出すために投手は変化球を多く投げる。(2004年までアルミニウムバットを使用した)アマチュアの打者が木製バットを使用した後に表れた現象だ。変化球を投げれば(反発力が低い)木製バットではヒットを打ちにくい。それで変化球駆使率が高まった。

金泰均=学生野球が週末リーグを始めたことで、練習の時間が減った。体力トレーニングをもっとしなければいけない。進学の問題がかかった3年生だけでなく、低学年も実力があれば試合に出場できるようにすべきだ。

奉重根=時代が変わってもプロ選手なら必ずやるべき練習プログラムがある。球速を上げるのに(最近プロで流行している)トラッキングシステムが役に立つだろうか。それは投球の回転数などの分析には役に立つが、結局はトレーニングで体を作らなければいけない。練習自体が不十分だという気がする。こういう話をすれば「オールドスクール」と言われるだろうが。

金泰均=トラッキングシステムやデータ分析は現状を理解する道具だ。それは正解にはならない。『打球の角度がどれほどになればホームランが出る』というような話はみんなする。結局は練習をしなければいけない。自分に合う方法を見つけるのが重要だ。体が準備できていないのに分析して何の意味があるのか。

奉重根=投手も同じだ。下半身を使えてこそボールは速くなる。これを「昔の話」という。上体だけをうまく使う投手も速球を投げることはできるだろうが、長くは続かない。上体の力に依存していたメジャーの投手も今では下半身をよく活用している。

--奉重根委員はメジャー時代よりKBOリーグ時代の球威が良かった。

奉重根=2009年のWBCの日本戦で投げた後、過去にアトランタ・ブレーブス球団で一緒にいた関係者が「なぜこんなに変わったのか。韓国ではどんな練習をするのか」と尋ねてきた。2、3年後にはMLBが韓国のプログラムを一部取り入れてトレーニングをしていた。今はMLBもかなり変わった。

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    2021.09.24 14:11
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