【社説】韓半島の終戦宣言よりも北核抑止力から備えるべき=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.09.23 10:40
北朝鮮が核武装に全速力で進んでいるという国際社会の警告にも韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は国連で韓半島(朝鮮半島)終戦宣言を提案した。文大統領は秋夕(チュソク、中秋)連休だった21日、第76回国連総会の一般討論演説で「南・北・米3カ国、または南・北・米・中4カ国が集まって韓半島で戦争が終了したことを共に宣言することを提案する」と明らかにした。文大統領は「韓国戦争(朝鮮戦争)の当事国が集まって『終戦宣言』を成し遂げるとき、非核化の不可逆的な進展と共に完全な平和が始まると信じている」と述べた。しかしその前日である20日、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシー事務局長は「北朝鮮でプルトニウム分離とウラン濃縮などに対する作業が全速力で進んでいる」とし「北朝鮮が核プログラム(核武装)に全力を傾けている」と警告した。
文大統領の今回の終戦宣言要求は誰が見ても唐突だ。これが国連舞台における文大統領の事実上最後の演説である点を理解したとしても、今の北朝鮮の現実とは全く一致しないためだ。文大統領が2017年5月就任以降、4年間余りにわたって南北関係の改善と北朝鮮の非核化に注いだ努力は認めるに値する。だが、北朝鮮は最後まで非核化に応じなかった。北朝鮮からの答えはさまざまな種類の弾道ミサイルと超大型ロケット砲、巡航ミサイル発射として返ってきた。さらに昨年6月には開城(ケソン)工業団地にある南北連絡事務所を爆破するという極端な措置まで取った。北朝鮮は今に至って核武装を加速するための最後の努力に集中している。しかも北朝鮮は自ら核武装国であることを宣言した。韓半島赤化統一目標もそのままだ。このような北朝鮮に対して、文大統領は非核化もなく平和や終戦宣言を語るのであればそれは誤算だ。