【中央時評】大統領候補の資質=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.09.15 17:50
「トップに上がった人は正常でない」。激しい過程を通じて指導者になった人には普通の人と違った非凡な面があることを強調した言葉だろう。しかし正常でない者がトップになることにより国民に苦痛を与え国を混乱させるケースも少なくない。特に21世紀に入り政治指導者がむしろ発展を妨げ問題を悪化させる現象が頻発している。自由の車輪を逆に回したり、新型コロナウイルスをあざ笑って多くの人の命を失わせた者もいる。どのようにこんな人が指導者になったのだろうか。民主主義国でその答は簡単だ。国民が望んだためだ。非正常的だが自分の利益を得るのには非凡そうな人を選んだためだ。しかしその結果は期待とは違いさらに大きな損失と対立として戻ってくるものだ。
私たちはどんな基準で次期大統領を選出すべきだろうか。正常が非凡よりも重要な基準だ。正常な大統領は普遍的価値に拠点を置き、公益を優先しバランスが取れた思考と正確な判断力で国が進むべき方向を決める者だ。ところがこうした資質は混濁する選挙過程ではよく見えない。したがって大統領候補らが次の情報を先に公開することを要請する。
1番目は大学で受講した科目のリストだ。どれだけ考える力を身に付けたのかがわかるためだ。価値ある質問を投げ、激しい事由と論証でその答えを求めていく訓練を受けていない人は指導者として適していない。特に次の大統領は未知の海を航海する船の船長と同じだ。米中覇権競争、北朝鮮問題、コロナ後の経済、政治と社会の対立がどのように展開し組み合わされるのかによって未曾有の荒波が押し寄せるかもしれない。この巨大な不確実性の中で韓国が進むべき座標を、考える力を身に付けなかった者がどうして正確に指摘できるだろうか。周囲の助言を受けられるだろうが、国を背負って孤独な決定を下さなければならないのは結局大統領自身だ。韓国の代表的なベテラン政治家はこのように話した。「大統領数人に接してみたら、考え方を知らない人たちが多かった」。筆者は候補者のうち哲学と歴史科目を熱心に受けた者がいるのかしっかりチェックするだろう。「運動の時代」は過ぎ、「考えの時代」がこなければならない。