韓国は「韓半島（朝鮮半島）平和プロセス」を、米国は「北朝鮮への外交的関与」を、日本は「北朝鮮のミサイル脅威」を話した。１４日に東京で開かれた韓日米の北朝鮮担当高官による協議で３カ国の立場は微妙な差を見せた。１３日の北朝鮮の新型長距離巡航ミサイル発射により韓半島に緊張が造成されたのに伴った結果と解説される。

◇日本「北ミサイル発射は脅威」

日本はこの日北朝鮮の脅威を指摘し、韓米両国が既に議論した対北朝鮮人道的支援に一部ブレーキをかけるような姿勢を見せた。日本側代表として会談に参加した外務省の船越健裕アジア大洋州局長はこの日の協議に先立ち、冒頭発言を通じ「北朝鮮のミサイル発射による脅威状況が続いている。日本政府は北朝鮮の脅威が拡張されないよう支援する」と話した。これは前日に韓国政府が外交部・統一部・国防部など外交安保担当部署次元で北朝鮮のミサイル発射と関連した評価を保留し北朝鮮との対話の必要性だけを強調したのと比較される。

船越局長のこうした発言は、北朝鮮が発射した巡航ミサイルの射程距離が１５００キロメートルで、韓半島全域だけでなく東京まで直接攻撃できるという点を意識したためとみられる。実際の北朝鮮は巡航ミサイルを「戦略兵器」と規定し戦術核能力を強化する意志を示した状態だ。また、最近国際原子力機関（ＩＡＥＡ）は北朝鮮が寧辺（ヨンビョン）の原子炉を再稼働した兆候が盛り込まれた動向報告書を発表し、北朝鮮の核の脅威をめぐる緊張が高まっている。

◇米国「最近の北朝鮮の状況に同盟協力は重要」

米国務省ソン・キム北朝鮮担当特別代表は特定懸案に直接言及してはいないが「最近の北朝鮮の状況は同盟間の緊密なコミュニケーションと協力の重要性を想起させる」として北朝鮮の核脅威を遠回しに言及した。その上で「北朝鮮がわれわれの多様な参加提案に肯定的に反応するよう望む」として条件のない対話を改めて強調した。同時に「国連安保理の対北朝鮮制裁決議案を完璧に履行するだろう」と米国の基本方針を再確認した。

◇北朝鮮のミサイル言及避けた韓国

外交部の魯圭悳（ノ・ギュドク）韓半島平和本部長は北朝鮮のミサイル発射と関連した公開言及を自制した。魯本部長は協議に先立ち「韓日米共助は韓半島の完全な非核化と恒久的平和定着を進展させるための必須要素。北朝鮮の核問題の緊急性に対する３カ国の共同の認識の下に北朝鮮をどのように関与していくのか虚心坦壊に議論したい」と話した。「韓半島平和プロセスの実質的進展に向けた多様な案に対する生産的な協議を期待する」ともした。

韓日米の北朝鮮担当代表が一堂に会したのは６月から約３カ月ぶりだ。ただこれまで魯本部長とソン・キム代表の間では対面協議が続いていた。両代表は先月２３日にソウルで、１週間後の先月３０日にはワシントンで会い、北朝鮮への人道的支援をめぐる具体的な案を議論した。

韓日米協議直後には個別に韓米代表による２国間協議が行われた。この席では既に議論した対北朝鮮人道的協力事業の発展方向に対する突っ込んだ話し合いがなされた。特にこれに先立ち韓米双方が北朝鮮への人道的支援が必要な核心分野に選定した新型コロナウイルス防疫と保健、飲用水供給案を議論する一方、韓半島非核化に向けた北朝鮮への外交的関与が至急だということで共感した。外交部はこの日報道資料を通じ、「韓米は両国共同の対北朝鮮人道的協力事業と北朝鮮との信頼構築措置など北朝鮮を関与できる多様な案に対して具体的な協議を行った」と話した。

◇訪韓の王毅外相、韓国引き込みに出るか

東京で３カ国の北朝鮮担当代表協議が開かれたこの日夕方、中国の王毅外相が韓国を訪問する。王外相の訪韓は昨年１１月から１０カ月ぶりだ。外交部は▽来年の韓中修交３０周年記念の実質協力強化▽韓半島情勢の安定的管理▽世界的問題に関する議論などが今回の韓中外相会談の核心議題だと説明した。特にこのうち韓半島情勢と関連し、南北と米朝の対話が事実上止まっている状況で、北朝鮮を対話テーブルに引き出すための中国の協力を要請するものと予想される。

だが中国の本心が変数だ。王外相は韓国に向け対米牽制球を投げる可能性が高い。実際に王外相は１２日に東アジア４カ国歴訪のためベトナムを訪問し、「域外勢力の介入と挑発を共同で警戒し阻止しなければならない」として米国牽制の意図を明確に示している。王外相の韓国へのメッセージは１５日の鄭義溶（チョン・ウィヨン）外交部長官との韓中外相から出るとみられる。