【コラム】新政府がリセットできるよう韓日関係悪化は防ぐべき(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.09.01 07:27
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)で延期になり、開催まで不透明だった東京オリンピック(五輪)が無観客と猛暑という厳しい条件の中でも終了した。行き過ぎた商業主義に汚染されて無理やり推進された五輪という誹りは避けがたいが、厳しい条件の中でも各国選手たちが見せた平和と和合のスポーツ精神はウイルスとの戦いに疲れた人類に希望と慰安を与えてくれた。
だが、隣国で開かれる世界的なスポーツ祭典を契機に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が訪日して韓日首脳会談を開催することにより、長期の“複合多重骨折”状態に陥っている韓日関係を逆転させる大切な機会が失われてしまった点は非常に残念だ。この状態が来年まで続く場合、韓日関係は前代未聞の「失われた10年」を経験しかねない憂うべき状況だ。
最近、日本と韓国を歴訪した米国のウェンディ・シャーマン国務副長官が東京にいるときは訪問が成功したと思っていたのに、ソウルに来てみたところ失敗に終わったとメディアに明らかにした通り、両国政府間では訪問準備がかなり進んでいたことが分かる。2020年下半期以降、韓国政府は東京五輪を念頭に置いて、悪化した韓日関係を改善するために持続的な外交努力を傾けてきた。どん底に落ちた韓日関係を回復軌道に上げるという目的とともに、2018年平昌(ピョンチャン)五輪が韓半島(朝鮮半島)平和プロセスの出発点を提供したように、東京五輪をハノイ米朝首脳会談「物別れ」以降、冬眠状態だった韓半島平和プロセスを再稼働させる機会にしようと考えた。また、バイデン政府が東アジア政策の核心軸の一つとして韓日米3角協力体制を復活させようとする動きに先制対応しようとする狙いも作用していただろう。事実、北朝鮮の五輪不参加決定によってすでに「平昌の再現」は消えはしたが、残り2つの理由はそのまま残っていた状態だった。