【コラム】東京五輪ボイコットしていたら逃していた教訓
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.08.16 10:00
物議も問題も多かった東京オリンピック(五輪)が終わった。コロナ・パンデミックの余波のため、がら空きだった観覧席は残念だった。しかし、世界中から来た代表選手の技量ががら空きだったわけではなかった。「より速く、より高く、より強く」という五輪のスローガンのように渾身の力を尽くす選手たちを見て、悲喜の共感を分かち合った。人類の体育大会は反則のない公平な世界、興奮の勝敗さえ泰然と共存する美しさを世界に知らしめてくれた。
大韓民国の参加をめぐり論争があった。私たちの国土、独島(ドクト、日本名・竹島)を五輪のホームページに日本の領土として表示する策略が直接的原因だった。来年3月の大統領選挙に出ようとしている与党圏の予備選挙候補者たちが東京五輪ボイコットを主張したのだ。世論調査で1位を維持する候補者と首相出身の候補者を含むためだ。
韓国と日本は相互間に嫌悪感と否定意識が存在する。互いに認知不協和(cognitive dissonance)の居心地の悪い存在だ。社会心理学者フェスティンガー(Festinger)によると、人間は認知的にリラックスしてバランスのとれた状態の認知的均衡(cognitive balance)を維持しようとする。したがって、人間の内的状態、人間と人間、人間と現象(イシュー)の関係で調和を壊す状況が発生し、心理的に不安定な状態になると、この不協和をなくして快適な状態を維持しようとするということだ。この理論が発表された1957年以来、数多くの後続研究が不協和を解消することができる様々な方案論議と活用に貢献した。