【8・15特別寄稿】解放76周年、今さらに切実な安重根の東洋平和論(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.08.13 15:03
今年の夏の厳しい猛暑とコロナ危機にもかかわらず、韓国選手団が東京オリンピック(五輪)の活躍したというニュースに接すると癒やされる。8月に入ると、またも「東洋平和」という大きなテーマを考えることになる。韓日併合という悪手を打った日本帝国主義時代に終止符を打った解放の喜び、しかし38度線で国と民族が分裂するという衝撃から76年という歳月が流れた。解放の喜びと分断の衝撃からまだ覚めることができない我々が改めて東洋平和を取り上げるのは、まだ韓半島と北東アジアが戦争の、特に核戦争危機から完全に抜け出せていないからだ。
五輪は地球村の人類社会が共同運命体であることを認識し、戦争を予防し、共存共栄の平和を共に誓う最大の祭りだ。日帝植民地に転落した暗鬱な帝国主義時代の1936年ベルリン五輪で孫基禎(ソン・キジョン)選手のマラソン優勝を複雑な心境で見守ったわが民族の哀歓を振り返ることさえ胸に引っかかるのが、韓国近現代史の哀れな運命だった。その我々が米国とソ連が主導した東西冷戦時代を終える1988年ソウル五輪を開催したのは誇らしい歴史的快挙として長く記憶することになる。1980年モスクワ五輪と1984年ロサンゼルス五輪が東西両陣営のボイコットで五輪自体の存続が不確実な危機を迎えたが、世界的な民主化運動の流れに乗って1987年に平和的な選挙と政権移譲に成功した大韓民国が、ソウルですべての五輪加盟国が参加した地球村大祝祭を成功させたのは大きな幸運だった。