【コラム】韓国与党はなぜ民主主義を後退させようとするのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.08.09 14:44
今はもう成人になっている娘が幼稚園児の頃、会社に手紙を送ってきた。「パパ、夜は早く帰ってきてください」とゆがんだ字で書かれていた。若い時の記者は「深夜に訪れる客」だった。早朝に出勤し、0時が過ぎて帰宅した。予告のない事件・事故の現場はいつも落ち着かない。整理された記録はどこにもない。足で走り、目で見て、現場で確認した「原初的ファクト」で勝負する戦場だった。他社の同業者に負ければ、先輩たちに「目を開けておけ」「ぼうっとするな」と言われてにらまれた。
それでも精神は常にしっかりしていた。私益が支配する世の中で、孤独ではあるが不正を監視する公益の守護者という自負心があった。1974年にニクソン米大統領を下野させたウォーターゲート事件をスクープしたボブ・ウッドワード・ワシントンポスト副編集長と2年前に会って対話した。70代後半の彼は「今でも朝起きると悪魔が何を隠しているかを考える」と話した。韓国の記者の心臓もウッドウォード氏のように拍動している。不義の証拠をつかんだ時、正義感で武装した記者は、地獄の果てまで追跡して世の中を変える。民主主義を守って歴史を作る。