【時視各角】権力者の家族でも同じだったか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.07.28 16:43
これほど猟奇的な事件が多かったことがあっただろうか。昔は物理的な事件が猟奇的だった。1994年の聖水(ソンス)大橋崩壊や1995年の三豊(サムプン)百貨店崩壊がそうだった。最近、これに劣らぬ事故が相次いでいる。橋や建物の崩壊ではないが、国民の命と財産が酷い不安にさらされている。
清海(チョンへ)部隊の将兵たちの集団コロナ感染事件はどれほど猟奇的か。アフリカまで進出した戦闘部隊の隊員にワクチン接種の計画すらなかったのは想像し難い。40度を超える高熱でも解熱剤2錠だけ出されたという。結局、乗組員の90%が感染者になった。戦闘でも起こっていたらどうなったか、想像するだけでも恐ろしい。この渦中に青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)報道官は、「誰も思ってもみなかったが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が清海部隊員帰国のために飛行機2機の派遣を指示した」と龍飛御天歌のように称えた。大韓民国の青瓦台に無能な参謀ばかり集まっているという告白を世界中に広めた瞬間だった。
東部拘置所のコロナ集団感染も猟奇的だ。罪を償う人達だが、厳然たる大韓民国の国民だ。密集空間の方が感染リスクが高いということは常識だ。しかし、誰も気にかけなかった。当時、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長の追放に死力を尽くしていた。立場を変えて考えてみよう。清海部隊や東部拘置所に大統領や与党代表や国防部・法務部長官の子供がいたとしたら、このように放置しただろうか。そして、問題が明るみに出たのに、互いに責任を押し付け、自画自賛ばかりしているだろうか。