「頻繁になった文在寅大統領『謝罪政治』…内容も態度も変わった」。信じ難いが、１月に出てきた記事だ。文大統領がおよそ１カ月の間、謝罪のメッセージを４回出したからだ。秋美愛（チュ・ミエ）前法務長官－尹錫悦（ユン・ソクヨル）前検察総長事態で「国民に不便と混乱を招いたことについて人事権者として謝罪する」などと３回、そして不動産価格暴騰について「住居問題で失望する国民に本当に申し訳ない気持ち」と１回述べた。「申し訳ない気持ち」（文大統領の謝罪慣用句）は３月の韓国土地住宅公社（ＬＨ）事件でも用いた。

「謝罪政治」とは異例に見えるが、実際に特別なものだった。当時の政治状況のためだろう。ソウルと釜山（プサン）で大きな補欠選挙があったが、支持率が下がっていた（韓国ギャラップ基準３８％）。

文大統領は「妥協することが政治の原則だ。しかし原則を妥協することはできない」（『大韓民国が問う』）と述べたりした。今になるとその「原則」ばかりがあふれていた。問題が発生しても「原則」の問題なので謝る理由はないという話になった。いわゆる「道徳的事故免許」だ。同時に「国民の手を強く握って共に進まなければいけない」という認識でもある。その結果が「少なくとも文大統領が世論調査には反応する」（与党関係者）という観察だ。特に支持層の動向には敏感だ。任期末の大統領には異例の４０％前後の支持率があり、少しではあるが謝罪政治をした背景だ。

しかしまた本来のパターンに戻った。要諦はこうだ。「自身がしていないことについて快く謝る態勢を見ると驚く。自身がしたことについて謝罪を避ける態度に劣らない」。もともと英国人を描写した言葉だが、文大統領もそれほど変わらない。２０１７年の民間人釣り船沈没当時、動線をすべて公開して翌日に黙祷しながら「国家の無限責任」と謝罪した文大統領が、延坪島（ヨンピョンド）海域で公務員殺害事件が発生した当時は動線の公開に消極的な態度を見せ、６日後に「申し訳ない気持ち」と言った。今回の清海部隊集団感染でも感染が確認されてから８日後に頭を下げた。

とんでもない事由を出したりもする。チョ・グク事態が代表的だが、人事権者として自身の責任には言及せず、「我々の社会は大きな陣痛を経験した」と言いながら謝罪した。空軍セクハラ被害者死亡事件は現在の軍首脳部の問題だが、構造（「兵営文化の悪い習慣」）のせいにした。国民でなく友軍に申し訳ないと述べたこともある。「心の借り」（チョ・グク）だけでない。金二洙（キム・イス）憲法裁判所長権限代行に国会出席が不発になったことをめぐり「大統領として丁重に謝罪する」と述べた。

もともと大統領は、特に任期末の大統領は謝罪を避けたりする。謝罪を始めれば一つ一つすべてしなければいけないからだ。それでも時々、国民の前に直接立ったりした。一方、文大統領は形式も自己防御的だ。青瓦台内部会議や国務会議という統制された空間の中でＡ４用紙を見て読んだり、参謀に代読させたりする。清海部隊の件はＳＮＳに載せた。

その間にも謝罪することは増えていく。金慶洙（キム・ギョンス）前慶尚南道（キョンサンナムド）知事のドルイドキングの世論操作事件だけでない。コロナ拡大については「申し訳ない気持ち」と述べたが、ワクチン不足については特に言葉がない。経済運用はむしろ自慢で、青瓦台参謀の退陣には沈黙した。文大統領が「命運をかけた捜査」を指示（青瓦台の表現で要請）した事件の大半が無罪と結論が出たが、当事者に説明がない。むしろ青瓦台（チョンワデ、韓国大統領府）が強く否定するものもあるが、環境部のブラックリスト事件がその一つだ。現政権で初めての環境部長官が実刑を言い渡されると「判決文にブラックリストは出ていない」と反論した。事実上強制的に立ち止まらせた現政権不正疑惑事件にもむしろ不満だ。

文大統領の就任演説を振り返ると困惑するしかない。そこにはこのようにある。「過ちは過ちだと申し上げる」と。

コ・ジョンエ／論説委員