【噴水台】コロナ五輪
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.07.23 15:01
競技を前に、爪の先まで全身の力を引き上げなければならない運動選手にとって食事は一種の神聖な「儀式」だ。1996年12月。中国・北京で開催されたショートトラック大会を控え、韓国代表には変わったことが注文された。卵チャーハンを食べてはならないということだった。氷上で刹那を争う選手たちが「転倒しないように」監督がタブーの食品を定めたが、バナナ・わかめなどのつるつるしたものや、卵のように割れる可能性があることが禁止の対象だった。いわば一種のジンクスだった。
食べ物が十分でなかった時代には、ユニークな料理が選手に愛された。ベルリン五輪(1936年)のマラソン金メダルの英雄、孫基禎(ソン・ギジョン)選手がそうだった。不足している塩分とタンパク質補充のために後輩選手を訓練する時、アミの塩辛と鶏の丸焼きにこだわった。同大会で銅メダルを獲得した南昇竜(ナム・スンニョン)選手が最も愛したマラソンの補薬は大福。大会当日は必ず大福を食べていた南選手は急いで買い求めた餅に似ているものを食べて出場したが、3位に留まったのは大福が食べられなかったためだと嘆いたという。