文大統領「東京五輪参加」めぐるいざこざ…特に意味がない理由
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.07.18 12:52
曲折の末に来週開幕する東京五輪が招致に成功した現場、まだはっきり覚えています。時は2013年9月8日。地球の反対側アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の総会会場でした。この総会はトーマス・バッハIOC会長にも忘れられない瞬間でしょう。彼がまさに国際スポーツ界の大統領であるIOC会長に選出された栄光の時間でもあったためでしょう。東京五輪招致のため飛んできた当時の安倍晋三首相とバッハ会長が意味深な微笑を浮かべて握手した場面が思い起こされます。
東京五輪中止を要求したり予想する声があふれている時、IOCについてちょっと知っていると言う人たちの間では「中止の可能性はゼロ」という共感が静かに形成されたためです。東京五輪とバッハ会長は一種の同志であるわけですから。
文在寅(ムン・ジェイン)政権と五輪の縁も特別です。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が2018年1月1日に発表した新年の辞で平昌(ピョンチャン)五輪参加の意思を明らかにし、韓半島(朝鮮半島)に平和の雰囲気が急造成されたためでしょう。その前までも「炎と怒り(Fire and Fury)」は単純な本の題名それ以上でした。当時のトランプ米大統領と金正恩委員長が互いにどっちの核ボタンが大きいのか口げんかまでしたからです。しかし2018年の韓半島の平和を追求する花火は翌年のハノイでの米朝首脳会談決裂で消え去りました。平昌五輪招致10周年は今月6日でしたが、さびしく過ぎ去りました。3回の挑戦の末に血の出る努力で招致を達成した主役だった企業家の多くはこれまでに亡くなりました。大韓体育会会長として招致の核心役割をした朴容晟(パク・ヨンソン)会長の声に注目する必要があります。