【中央時評】おかしな国はあっても特別な経済はない=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.06.23 10:35
2010年代中盤に金日成(キム・イルソン)大学経済学部出身の北朝鮮外務省官僚と会議で会った。30代の彼は英語が流ちょうで、担当分野の知識も豊富だった。会議後に市内観光のためバスに乗った際に彼の隣の席に座った。さまざまな話をして尋ねた。「経済学部で『需要と供給』について学びましたか」。何の話かわからないという表情で彼は首を横に振った。「それでは主に何を学びましたか」。彼が答えた。「主体思想に基づいたわが北朝鮮経済がどれだけ特別で、いかに多くの発展を成し遂げたのか学びました」。筆者にはこの言葉が経済に関して本当に必要な知識は全く学べなかったという告白のように聞こえた。
学問で南北間の水準差が最も大きい分野は経済学だろう。社会主義国で経済学は社会を分析する道具とみるより理念を擁護するプロパガンダに近い。経済学を学んでも経済をまともに理解するのは難しいという意味だ。統一後の旧東ドイツでは旧西ドイツ出身の経済学者需要が急増した。経済学という名前で社会主義理念を教えた旧東ドイツの大学教授を一気に整理し、旧西ドイツの経済学者に変えなければならなかったためだ。市場経済に移行したロシアも似た状況だった。資本主義に入ってからも依然としてマルクス経済学を教えたモスクワ国立大学の名声は落ちた。これに対し高等経済大学や新経済大学のように若いロシア人学者や外国人研究者を教授に採用した新生大学の競争力は上昇した。