【コラム】うなずいても「OK」と考えれば錯覚…文大統領の「沈黙語法」の意味(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.06.17 15:58
国民も文大統領の選択的沈黙に慣れて久しい。女優ユン・ヨジョン氏のアカデミー賞受賞のような朗報には光の速度で立場を表明する。一方、自身や執権勢力に責任がかかる問題は沈黙で一貫する。普段からフェミニストであることを強調してきた大統領が、朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長のセクハラについては「残念だ」という言葉以外には黙り込んだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の青瓦台で共に勤務した人に文大統領の「沈黙語法」の意味を尋ねたところ、このような返答があった。
「文大統領が相手の話を静かに聞くだけの時はその話は喜ばしいものではなく、本人の関心事ではないということだ。本人の関心事であり話がそれらしければ、いかなる方法でも反応する。黙っているのは、関心はないのに周囲から『会うべき』と言われるので、ただ会っただけだ。もちろん沈黙しているだけではない。時々はうなずいて『適切な意見です』などの言葉もいう。しかしそれは相手の話を受け入れて最終決定をしたというわけではない。そのために『文大統領が私の話に耳を傾けた。私の要求を受け入れた』と思って発表して失敗する人たちが多い。もちろん文大統領だけが悪いのではない。文大統領がもともとそのようなスタイルであることを考慮して話さなければならず、返答を確実に聞かなければいけない。ある人は『文大統領に会う時は録音が必要だ』というが、録音しても同じだ。青瓦台は『大統領はそのような意味で話したのではない』という出方をするのは明白だ」。