【社説】韓国光州市内バスを襲った再開発安全不感症
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.06.11 10:29
再開発のために撤去中だった5階建て店舗が崩壊して市内バスを襲い、罪のない市民9人の生命が奪われた9日の光州(クァンジュ)広域市「54番市内バス惨事」は後進国型人災とみることができる。息子の誕生日に突然亡くなった60代の母、友達と永遠の別れをすることになった高2男子生徒など、一瞬で帰らぬ人となった犠牲者9人のそれぞれの事情が残念でならない。
真昼の大都市の目抜き通りでどうしたらこのように呆れた惨事が発生するのか納得できない。撤去業者はもちろん、市庁・区庁・労働庁・警察など安全管理義務を放棄した関連公務員の責任を徹底的に問い、再発防止策をつくらなくてはならない。今回の惨事は4人の死傷者を出した2019年5月ソウル瑞草区蚕院洞(ソチョグ・チャムォンドン)撤去建物崩壊事故を思い出させる。当時も撤去現場には必要な安全措置が十分に取られておらず、撤去業者の代表と監理関係者が拘束された。当時撤去業者はクレーンレンタル料などをおさえるために撤去計画書とは違って1階から撤去して事故が発生したという。
今回の光州惨事も2年前と大きく違ったところはなさそうだ。関係当局や専門家が現場で合同鑑識を行っているが、これまで明るみになった事実だけ見ても、安全に対する基本が徹底的に無視されていたという疑いを拭いがたい。