【社説】交錯した強制徴用判決…外交的妥協で解決を=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.06.08 09:26
日帝強制徴用被害者と遺族が日本企業16社を相手取って起こした損害賠償訴訟が韓国の裁判所によって却下された。ソウル中央地方法院(地裁)裁判部は7日、「大韓民国は国際法的に(1965年の)韓日請求権協定に拘束される」とし「個人請求権が消滅あるいは放棄されたとはいえないが、訴訟でこれを行使することは制限される」と判示した。別の強制徴用被害者が起こした訴訟で、2018年大法院(最高裁)全員合議体が下した判決とは正反対の判断だ。日本政府が1965年請求権協定に反するという論理で反発することによって歴代最悪の水準まで冷え込んだ韓日葛藤は、まだ回復の兆しさえ見えていない。
大法院の判例と交錯する判決が下されたことにより、強制徴用問題を巡る法的攻防はさらに長引くことは間違いない。原告団が控訴して再び大法院の最終結論が出るまでどれだけの時間がさらにかかるのかは分からない。一つ明らかなのは、ひたすら司法府の判断だけを待つことはできない点だ。それは被害者救済の観点からみても、悪化した韓日関係をこのまま放置できないという外交的観点からみても同じだ。判決が交錯しているだけに「司法府の判断を尊重する」という政府の論理は名分と現実性が弱まった。政府は今からでも聡明な解決法を作り、日本との協議を経て外交的に解決するために積極的に取り組まなければならない。2018年大法院の判決が下される前から、あるいはその後でも政府が積極的に出ていたなら、被害者に対する救済遅延や不必要な外交的混乱を防ぐことができていたはずだ。すでに学界や政界から提起されたさまざまな案の中から、被害者と日本がどちらも受け入れられるような共通分母を探せばよい。