【社説】ソウルと平壌の混同、ミスで済ませるのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.06.02 10:32
韓国が主催した国際会議のうち最多参加国を記録したP4G首脳会議の開幕映像でソウルが登場すべきところに平壌(ピョンヤン)綾羅島(ヌンラド)が登場した。大統領が出席した多国間首脳会議の席で公開上映され、テレビ・インターネットで世界に中継された映像物で、ソウルと平壌を混同するというあきれる事件だ。
映像自体よりも深刻なのは青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の安易な認識だ。青瓦台関係者は「どっちみち地球的な問題を扱う会議でり、ソウルでも平壌でもかまわない」とし「それがなぜ傷になるのか」と話した。これは映像物が意図するメッセージを全く理解していない無責任で不適切な発言だ。この映像は南山(ナムサン)、古宮、漢江(ハンガン)などの映像で、開催地のソウルを紹介した後、大同江(テドンガン)綾羅島の衛星写真からズームアウトしながら韓半島(朝鮮半島)、そして宇宙から見た地球の姿を映し出した。全地球的な課題の気候危機への対応に韓国政府が積極的な役割を全力で果たし、今回の会議開催地のソウルがその役割の中心であり発信地であることを強調するのが映像の企画の意図だった。北朝鮮は今回の会議に参加もしていないが「ソウルでも平壌でもかまわない」というのは、映像のメッセージに反するだけでなく、会議全体の成果にも冷や水を浴びせる。その言葉通りなら、今回の首脳会議の結果であるソウル宣言を「平壌宣言」と呼んでもかまわないということか。