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「韓国軍55万人ワクチン」の隠れた意味、韓米は金正恩にボール投げた

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.30 12:30
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「新型コロナウイルスで大規模軍事演習は難しくないか」。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が26日に青瓦台(チョンワデ、大統領府)で開かれた与野党5党代表昼食懇談会でした発言だ。正義党の余永国(ヨ・ヨングク)代表が「8月に予定された韓米合同演習中止や延期の意志を込めて南北軍事共同委員会開催を北朝鮮に提案し南北対話の糸口を開こう」と提案し、文大統領がこのように答えたという。

 
韓米合同軍事演習は毎年上半期と下半期の2回実施する。8月に始まる下半期の合同演習では普通実機動訓練(FTX)ではなく指揮所演習(CPX)を展開した。CPXはコンピュータシミュレーションで戦争状況を模写する図上訓練だ。

これに対し3~4月の上半期合同演習の際には本土と海外の米軍まで動員し大規模に実機動訓練をした。

韓米は2018年4月に南北首脳会談を考慮し上半期の実機動訓練をローキー(控えめ)で行った。同年6月のシンガポールでの米朝首脳会談後の実機動訓練は事実上廃止された。毎年指揮所演習を中心に合同演習を実施した。

21日に韓米首脳会談を終えてバイデン米大統領は「韓国軍55万人に対する新型コロナウイルスワクチンを提供する」と明らかにした。韓国が望んだワクチンスワップの代わりに出した案だ。ここには米国の策略が隠れていると分析される。

米ランド研究所のブルース・ベネット専任研究員は25日、米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)に「55万人すべての韓国軍兵士が8月までにコロナワクチンを全員接種すれば、8月にコロナ感染拡大のリスクなく実機動韓米合同軍事演習をすることが可能になる」と説明した。

ワクチンを提供して実機動訓練にそっと組み込む格好だ。

すると、文大統領が米国の策略を事前に明確に遮断した。

外交部の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官も28日の国会外交統一委員会全体会議で「韓国政府が新型コロナを理由に韓米合同演習をやろうとしないからワクチンを供給するものではないのか」という国民の力の金碩基(キム・ソクキ)議員の質問に、「趣旨はそうではない」と答えた。彼は「韓米合同演習はワクチン供給とは別に合同演習の時期、規模、方式については軍当局間で協議を通じて決定されるだろう」と説明した。

バイデン大統領が差し出した「実機動訓練」のカードをきっぱりと切った文大統領の意図は、北朝鮮に対話に出よという意向を伝えようとしたものとみられる。

今回の首脳会談で韓国は米国に板門店(パンムンジョム)宣言とシンガポール共同声明に基づいた対話の必要性を改めて確認し、南北対話・関与・協力に対する支持を得た。

2019年2月のハノイでの米朝首脳会談後に動力を喪失した南北関係改善の火種を生き返らせたと評価される。8月の合同演習で韓米が大規模兵力を出せば北朝鮮はミサイル発射のような挑発で対抗する可能性が大きい。

そうなれば微弱な火種が燃え上がる前に消えるのは明らかだ。

いまやボールは北朝鮮に渡った。

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    2021.05.30 12:30
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    2013年4月に韓米合同上陸訓練に参加した海兵隊が慶尚北道浦項市の海岸に上陸している。[中央フォト]
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