共同通信は２４日、インドのＰＴＩ通信を引用し、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）のバッハ会長が新型コロナウイルスのため中止論が起きている東京五輪の開催を実現するために「われわれは犠牲を払わなければならない」と述べたと報道した。

バッハ会長のこの発言は２２日に開かれた国際ホッケー連盟のオンライン総会でのあいさつの際の発言という。バッハ会長が言及した「われわれ」に日本人が含まれるのか正確な意図はわからないが「犠牲」という単語が日本国内で批判を浴びている。

日本政府は五輪開催都市である東京都など９都道府県に今月末まで新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため緊急事態を宣言している。しかし日本政府と東京都は２カ月後に迫った東京五輪・パラリンピックを予定通りに開くという立場で、ＩＯＣも同じ立場を守っている。

共同通信は、バッハ会長の「犠牲」発言はコーツ調整委員長の緊急事態状況下での大会開催強行発言で波紋が広がっている中で出てきたとし、ＩＯＣ首脳部が日本の国民感情に配慮を欠く発言をしていると指摘した。

これと関連し立憲民主党の枝野幸男代表は２３日に開かれた党富山県連大会にオンラインで参加し、「命を犠牲にしてまで五輪に協力する義務は誰にもない」としてＩＯＣ首脳部の認識を指摘したと共同通信は伝えた。