【時論】キムチを愛国主義の素材に利用する中国の「文化工程」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.13 12:06
中国はなぜこうなのか。2020年冬に始まったキムチと泡菜の元祖論争が続いている。最近では中国最大ポータルのバイドゥ百科事典に「参鶏湯(サムゲタン)は中国の料理」と書かれ韓国で嫌中ムードが広まっている。キムチと参鶏湯をめぐる論争で中国の歴史歪曲を指摘する東北工程に続く文化工程、料理工程、キムチ工程、人参工程という言葉まで広まっている。
東北工程は2002年2月に始まり2007年初めに事業が終了した中国の古代史研究国策事業だ。東北工程の背景には21世紀に入って強まった愛国主義に基盤を置いた中華優越主義が隠れている。中国は1990年代から愛国主義鼓吹教育を強化した。G2に浮上して中国の力が強くなると中華愛国主義は「憤怒した青年(憤青)」とそれより若い世代を指す「小粉紅」のようなファンダム民族主義性向のグループを生み出した。政府の組織的な支援があるためだ。彼らの崇拝対象は中国と漢族だ。愛国主義は必然的に伝統文化を重視する。集団アイデンティティの基礎を提供するためだ。料理は集団アイデンティティの滋養分としてこの上なく良い材料だ。
キムチが中国で全国的な耳目を集めたのは2003年のSARS流行のためだった。キムチがSARSに効果があるとされ韓国企業と朝鮮族が作ったキムチが大きな人気を得た。当初中国人に泡菜はSARSの際に有名になった韓国式キムチを意味した。今回論争になった泡菜は四川省を基盤とする。2001年から泡菜事業が本格化したが、泡菜は中国で全国的な食べ物ではない。