「マッコリを知るにつれ韓国に酔う」伝統酒に魅了された日本酒伝導師
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.11 10:42
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全州(チョンジュ)マッコリ工場を訪問した在韓日本大使館公報文化院長の中條一夫氏。ネクタイを持ち上げて見せているが、酒を醸造する材料の米と、酒瓶が描かれているからだった。酒文化の探訪ということで、わざわざこのネクタイを選んだとのことだ。チョン・スジン記者
在韓日本大使館公報文化院の中條一夫院長の酒に対する愛は格別だ。日本の酒と焼酎に関するソムリエの資格まで持っているということからもその本気度が伺える。外交は、相手の心をつかむ技術であり芸術で、その最高の道具の一つが酒と食文化だと堅く信じている。だからといって彼が大酒飲みという意味ではない。夕食の席では盃を交わしてそれほど経たないうちに顔がほんのりと赤に染まる。その一方で、相手に少しでも日本酒の味や粋を伝えようと努めるのが彼の特徴だ。そのような中條氏が最近耽溺しているものがあるが、それが韓国伝統酒、中でもマッコリだ。
今月3日には多忙な日程の合間に都合をつけて、1泊2日で全羅北道全州(チョルラブクド・チョンジュ)に一人で出張まで行ってきた。最近、ソウルの某韓国伝統酒商店で出会った「マッコリパウダー」という商品に心を奪われたためだ。商品パッケージの後ろに記されていた工場の電話番号にとにかく連絡を入れ、見学日程を決めた。昨年ソウルに赴任してから初めてとなる中條氏の韓国伝統酒探険に同行した。
「突然電話が来てどれほど驚いたことか。どこかの文化院長とだけ聞いていたものの、日本文化を代表する外交官が直接ここまで訪ねてくるとは思いもよりませんでした」。全州徳津区(トクチング)でマッコリ工場兼研究所を運営するチュ・ミンソン代表の言葉だ。チュ代表に韓国マッコリ特有の蒸米と麹、発酵過程を尋ねる中條氏は、一言も聞き逃すまいとメモをしたり映像を撮影したりして情熱をみせた。