【社説】現実に近づくインフレと利上げ…韓国政府に対策はあるのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.06 12:03
物価が大きく上がった。昨年のデフレへの懸念が色を失うように4月の消費者物価は前年同月比で2.3%上がり、2017年8月の2.5%から44カ月ぶりの高水準を記録した。2.3%は韓国銀行の物価管理目標の2%を上回る数値で、インフレ(持続的物価上昇)の恐怖が現実化するのではないかとの懸念が出ている。最近のネギや卵の価格急騰で経験したように、インフレはそれ自体で家計の生計負担を加重させたりもするが、景気過熱を防ぐための金利引き上げにつながるという点でさらに心配だ。
韓国の家計負債は2011年に初めて1000兆ウォンを超えてからわずか10年で2000兆ウォン突破を目前にしている。銀行圏からの家計負債1000兆ウォンのうち70%が変動金利だ。負債を抱える家計は利子負担の直撃弾を受けるほかない。昨年1.25%だった基準金利が景気低迷への懸念から2カ月ぶりに0.75%から0.5%に引き下げられると、すぐに市中に多くの資金が出回り特に若年層を中心に、借金をして投資する事例が大きく増えた。大きく沸き上がった株価や仮想通貨価格が今後急落することでもあればもっと大きな社会問題に広がる可能性も排除し難い。先月韓国銀行金融通貨委員会で「金利上昇に対する脆弱性が大きくなった状況であり、経済主体の注意と備えが重要な時期」という発言が出てきた背景だ。