【社説】金浯洙検察総長、政権末の「防弾総長」ではないのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.04 11:32
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨日、金浯洙(キム・オス)元法務部次官を新検察総長候補に指名した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は「国民の人権保護と検察改革に先頭に立ってきた」という点を抜てきの理由として前面に出したが、ありのままに信じ難い。それよりは任期末権力の漏水を防いで政権を守るための典型的な「防弾総長」のように見える。青瓦台がその間権力機関長人事で一貫して見せてきた人事基調とやり方をもう一度踏襲したものだからだ。リーダーシップや業務能力、専門性よりは信頼する人を先に、忠誠度の優先が人事基準に位置付けられたようで残念だ。
当初、青瓦台が念頭に置いた1位の候補者がイ・ソンユン・ソウル中央地検長だったという端緒はありふれる。それとも、どうやって「皇帝調査騒ぎ」「捜査審議委開催論議」に巻き込まれている被疑者が検察総長候補推薦委員会の推薦候補から最初から排除されないことがあり得るだろうか。結局、推薦委が一次に選定した候補4人からイ地検長が脱落した後から金元次官が最も有力な候補に浮上した。次善の策に移ったわけだ。それでも今回の人事は道理を逆らった無理な方法が少なくなかった。まず、「組織内信望」に高い基準を置いた総長推薦委で金元次官の得票数が最も少なかったという。4人の中で4位が1~3位を抜いて落下点を受けた。外観上でも公正に見えない。朴範界(パク・ボムゲ)法務部長官はこれに先立って「次期検察総長人事は大統領の国政哲学と相関性が大きい」と言及した。検察の中立性・独立性より忠誠度を最優先にするという意味だろう。